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NETISの工事成績評定に関する加点の仕組みを詳しく解説
建設工事は大きく公共工事と民間工事に区分されます。公共工事に関わる受注者にとって、工事完了後に発注者からの工事成績評定は極めて重要です。この評定は、今後の公共工事の受注に影響を与えるだけでなく、現場監督個人の実績としても大きな意味を持ちます。書類や写真の整理が適切であれば高得点を得ることは難しくありませんが、工事成績評定を有利にする条件があれば積極的に活用したいところです。
こうした場面で役立つのが「NETIS」です。
NETISを利用することで、指定された技術や商品を活用するだけで工事成績評定に加点される仕組みを利用し、公共工事の入札に有利な状況を作り出すことができます。
本記事では、NETISの概要に簡単に触れ、工事成績評定に関する加点の仕組みなどについて詳しく解説していきます。
NETISへ登録されている商品を具体的に確認したい場合は、「2024年版 建設工法 NETIS」を無料で送付しているため、お時間のある際にご覧ください。
まとめ
- ・施工者が工事にNETIS新技術を活用すると、公共工事の入札で加点評価を受けることが期待できる。なお、国土交通省は令和2年度より、国土交通省直轄土木工事における新技術の活用を原則義務化している。
- ・NETIS登録技術は、政府や競合他社から高く評価された新技術であり、その活用は自社の施工における信頼性や技術革新の意欲をアピールする有効な手段となる。
- ・評価やアピール性に直結するため、公共工事に参加する施工者にとってNETISに登録された新技術の活用は不可欠。
目次
そもそもNETISとは?
NETIS(New Technology Information System)は、国土交通省が管理するデータベースシステムです。このシステムは、新技術の効率的な活用やリスクの軽減を図り、有益な技術が広く導入されるよう支援することを目的としています。
NETISは2006年に導入されて以来、実際の公共工事などで新技術を活用し、その効果を検証することで技術の発展と活用の促進を図っています。
近年、労働力不足や働き方の改革の必要性が高まり、建設業界でもDX(デジタルトランスフォーメーション)化が加速。NETISはこの流れの一翼を担い、国土交通省の政策によって技術革新と業務効率化が推進されているのです。
NETISの詳細については以下の記事でより詳しく解説しています。ぜひご参照ください。
▶NETISとは? 活用メリット5つと工期や費用削減の事例3選【施工者・発注者向け】
NETISの目的や登録方法は?
NETISは、民間事業者が開発した技術を支援することを目的としており、全国の地方整備局などと情報を共有し、公共事業での工事に積極的に活用されています。これにより、さらなる技術の進歩と発展が促進されています。評価の優れた新技術には、総合評価落札方式や工事成績評定での加点など、特典が提供されるのが特徴です。
NETISへの登録には、各事業者が個別に申請する必要があります。令和5年度から申請する技術の分類(工種)によって窓口となる整備局が設定される方式となっています。
ただし、申請が受理されたからといって国土交通省から公式な認定を受けたというわけではありません。NETISは新技術活用に関する参考情報として提供されており、その性質上、参考程度の情報とされていることには配慮しておきましょう。
施工者がNETISを活用するメリット

NETIS登録技術を活用することには、主に以下の5つのメリットがあります。
- 1.公共工事の入札時に加点評価が得られること。
- 2.工期の短縮が可能であること。
- 3.コスト削減が実現できること。
- 4.施工性の向上が実現できること。
- 5.周辺環境や環境への配慮が実現できること。
NETIS登録技術は、政府が効率化を推進するために推奨している技術です。そのため、これらの技術を工事に活用すると、公共工事の入札で加点評価を受けることが期待できます。
また、他社が開発した優れた技術を利用することで作業効率を向上させたり、工数を削減したりすることが可能です。NETIS登録技術は政府や競合他社から高く評価された新技術であるため、自社の施工における信頼性や技術革新の意欲をアピールする手段としても有効なのです。
NETISでは制約条件をクリアできる新技術も探せる
NETISからは、事前審査や事後評価(試行実証評価、活用効果評価)の結果を検索できます。事後評価の結果は、特定の現場条件下で新技術の効果を評価する際の有益な参考情報となるため、確認は必須です。 NETISを活用することのメリットについては、以下の記事でより詳しく解説しています。ぜひご参照ください。
▶NETISとは? 活用メリット5つと工期や費用削減の事例3選【施工者・発注者向け】
NETISにおける工事成績評定とは?
NETISの加点制度を理解する上で欠かせないキーワードが、「工事成績評定」でしょう。
工事成績評定は、公共工事において施工者が提案した新技術の活用が実際の工事でどれだけ効果を発揮したかを評価するものです。施工者は契約後に活用提案を行い、それが採用されると条件を満たした場合に主任技術評価官から最大3点の加点が与えられます。
ただし、実際の加点率は3点の40%に相当し、最大で1.2点です。
(加点の設定については各地方整備局によって異なるケースがあります)
令和4年4月時点
新技術を提案する場合、手間はかかる?
新技術を提案する際、まずその技術がNETISに未登録であれば、開発者はNETISへの登録手続きを行う必要があります。
登録手続きには、活用申請書(様式Ⅰ-13)の提出が必要です。この書類はNETISのウェブサイトからダウンロードできます。
また、発注事務所との打ち合わせが必要となります。
技術の実績が10件未満の場合は、試行調査が行われる場合もあるため留意しておきましょう。
なお、事前審査などにかかる費用は申請者が負担する必要があり、費用の具体的な金額は技術の内容によって異なります。
NETISにおける総合評価方式とは?
NETISの加点制度についてより深い知識を得るために不可欠なのは、「総合評価方式」の理解です。
総合評価方式とは、従来の価格のみに基づく自動落札方式とは異なり、価格と製品の性能、安全性、環境への配慮などの非価格要素を総合的に評価する落札方式のことです。
近年、公共工事では総合評価方式の入札が増加しており、加点を獲得することで入札の有利性が向上する可能性があります。
※加点の配点は地方整備局等によって異なる場合がありますので、詳細については地方整備局等の申請・相談窓口にお問い合わせください。
NETISを活用する流れと加点の仕組み

NETIS登録商品を公共事業等で活用する際には、「施工者提案型」で申請を行ってください。 NETIS活用の手順と加点の仕組みは以下の通りです。
施工者希望型で申請の場合の流れ
- 1.施工者希望型で申請
- 2.受理
- 3.現場にて施工
- 4.活用効果調査(評価対象)
- 5.事後評価(評価対象)
※「評価対象」の意味:活用効果調査および事後評価で基準を満たした場合、工事成績評価に加点されます。
NETISの加点の仕組み
公共工事において、施工者がNETISに登録された新技術を活用すると、工事成績評定で加点されます。さらに、コスト削減や工期短縮などの効果が高く評価されれば、さらなる加点が期待できます。
高い工事成績評定を獲得することは、次回以降の入札において有利な評価を受けるために重要です。そのため、公共工事に参加する施工者にとって、NETISに登録された新技術の活用は不可欠と言えるでしょう。
具体的な加点方法については、NETIS公式ホームページのダウンロード資料に詳細が記載されています。
たとえば、試行技術の活用では2.0点が加算されます。さらに、試行技術が実績優良技術と評価されるか、または発注者による活用効果調査の総合評価点が120点以上であれば、2.0点が追加され、最大で4.0点の加点が可能です。
NETISの公式パンフレットや新技術の登録申請方法、操作マニュアルなどが公開されていますので、NETISの公式ホームページを十分に確認してください。
以下で加点の例をご紹介しているので、確認してみてください。
事後評価が実施されない技術を活用した場合(識別番号末尾が「A」) | 事後評価がされた技術を活用した場合(識別番号末尾が「V」) |
活用効果調査表の提出 + 2点 | 有効とされる技術 + 2点 |
活用効果調査表の総合評価120点以上 + 2点 | 活用効果調査表の総合評価120点以上 + 2点 |
合計 最大4点 | 合計 最大4点 ※ 事後評価技術(V)で総合評価が120点未満の場合、加点はありません。 |
NETISの種類(識別番号)については以下の記事でより詳しく解説しています。ぜひご参照ください。
▶【2024年版】NETISの種類(識別番号)は6つ! VE・VR・A・V・AG・VGの特徴を解説

まとめ
NETISは公共工事において不可欠なデータベースであり、重要な役割を果たしています。
工事成績評定で高得点を獲得することが難しくなっている現在、NETISに登録された新技術の活用は見逃せません。
NETISの活用は工事成績評定の加点だけでなく、作業の効率化、コストダウン、工期の短縮など、さまざまな面で助けとなります。他の施工者が有益と評価した技術は普及し、改良を重ねてより優れたものへと進化していくでしょう。
国土交通省が運営するシステムであるNETISは、正当な評価と有益性が保証された新技術が多数揃っているのです。
自社の業務改善や作業の効率化のために、積極的に新技術を活用することをお勧めします。また、NETISは今まで発見が難しかった工法や技術を検索する上でも非常に便利です。
今後もNETIS上でさらに良い技術が増えることが期待されるでしょう。
御社もぜひNETISを活用し、工期や費用の削減はもちろん、自社のアピールや評価につなげてみてはいかがでしょうか。