2017.12.21
機能確保へ増加する管理者の負担
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経済・社会の基盤として中枢的な交通インフラの役割を果たしている道路。
機能を持続させていくため、定期的な点検など維持管理業務は不可欠である。しかも、その内容は日常的な巡回から橋梁やトンネルなどの構造物の補修、耐震補強まで幅広い。延長は膨大であり、管理者の負担は大きい。コスト削減策を含め、管理基準の見直しが繰り返されてきている。
120万kmを上回る国内の道路網 |
国内の道路は、総延長が121万600kmある。このうち、都道府県や市町村が管理する地方道が94.8%を占める。では、これだけ長大なインフラをどう管理しているのか。
指針となっているのが、国の維持管理基準である。日常的な業務としては、巡回や清掃がある。巡回については、通行量によって頻度が決められており、1日5万台以上の道路は原則として毎日、5,000台~5万台は2日に1回、それ以下は3日に1回だ。清掃には、路面、歩道、排水構造物があり、例えば三大都市圏は年12回、地方では年1回を目安として塵埃量に応じて実施されている。このほか、除草、街路樹の剪定、さらに積雪寒冷地では、凍結防止剤の散布や除雪などが日常的に行われている。
維持管理業務は、維持と補修に大別されている。
維持は、道路の異常などを日常的に確認し、交通に支障がないようにする。
維持
出典:国土交通省
これに対して道路施設や構造物の健全性を確認し、機能を回復させ、強化するのが補修だ。舗装の補修のほか、橋梁やトンネルの点検・補修、のり面や斜面の防災対策などがある。構造物の点検には、それぞれ定期点検要領があり、各道路管理者ともこれに準じて実施することになっている。また、橋梁については、耐震補強が継続的に行われてきている。県庁所在地間を結ぶ道路のうち、大規模地震の発生が予測されている地域の橋梁から重点的に実施している。
補修
出典:国土交通省
増加する管理延長に対して減少する予算 |
道路巡回
出典:国土交通省
巡回には、前述した通常巡回のほかに定期巡回、異常時巡回がある。通常巡回は、道路パトロールカーの車内から目視で確認する。これに対して定期巡回は、徒歩で確認する。年に1回の実施が原則だ。いずれも、機械化や省力化が難しい、いわば人海戦術による作業である。管理者にとっては、構造物の点検や補修を含めて財政面の大きな負担となっている。新規供用によって管理が必要な道路延長は増加しているのに対して、維持管理費は逆に減少している。
そこで、道路の機能を維持しながら負担を軽減するため、基準の見直しも実施されてきた。
例えば、道路清掃の実施回数は、塵埃の発生量に応じて実施できるようにした。除草については、かつては道路ののり面全体を対象にしていたが、交通に支障がある場所だけに限定するようにした。構造物については、損傷の少ないうちに補修をしてライフサイクルコストを削減する予防保全が実施されている。また、工法や施工面についても建設各社によって省力化できコスト削減にもつながる技術の開発が進んでいる。
予防保全
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ひび割れの補修 |
塗装の塗替え 出典:国土交通省 |
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