2018.01.11
土留め・止水壁
地下構造物の施工では本体を兼ねる場合も |
建設構造物には地下空間を利用したものが数多くある。ビルの地下階やターミナルを中心にした地下街、ライフラインでは上下水道管とそれぞれの処理施設、地下鉄、道路のほか、雨水貯留施設や地下タンクなどもある。
地下鉄の駅間はシールド工法で施工されることが多いが、規模が大きく、地上との連絡施設が必要となる駅部は開削工法で施工される。道路では市街地周辺で騒音などを避け、景観を阻害しない半地下式の掘割構造区間がある。
浅くて規模が小さな上下水道の枝管と呼ばれるものは、素掘りによって施工される。埋設するために掘削する壁面の両側にある程度の角度を設けて、崩れるのを防ぐ。しかし構造物の規模が大きく、深さを増せば、仮設工としての土留めが必要になる。
施工が容易で再利用できる鋼矢板 |
最も多く用いられているのが鋼矢板である。断面がコの字型で両端には半円形の継手部がある。打ち込んだ矢板の継手を噛み合わせることで連続した地中壁にする。大掛かりな施工設備の必要がなく、急速施工が可能なので仮設工事の期間が短縮できる。
しかも深さや地盤の種類に応じて複数の種類があり、合理的で経済的な設計が可能だ。例えば長さは一般的なものが4~20m。矢板に掛かる土圧など必要な強度に応じて部材の厚みを選択できる。深い場合には、水平方向の部材であるH型鋼の切梁を設置して補強する。本体工事の施工完了後は、引き抜いて再利用できる。
鋼矢板搬入
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鋼矢板による締切工の施工状況
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出典:国土交通省 |
止水の役割も果たす連続地中壁 |
さらに規模が大きな地下構造物の施工には、連続地中壁を採用する。柱列式や等厚式などがあり、施工法についても建設各社によって複数の工法が開発されている。土留めのほか、止水壁としての役割も果たす。
鋼矢板と異なり、施工には大掛かりな機械設備が必要になる。柱列式の場合は、平面的に見ると杭を重ね合わせるように施工して連続した壁にする。削孔して鉄筋を建て込み、コンクリートを打つ。必要とされる強度や深さに応じて杭径などを決める。
土留めや止水のほか耐震性能もある。このため、本体構造物の地下が外壁や基礎の一部と利用されることも多い。
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