2018.01.11
材料
シンプルだがそれぞれにJISの規定が |
コンクリートはシンプルな建設資材である。
材料は水、セメント、骨材、必要に応じて混和剤を混ぜ合わせる。少量であれば、鉄板を用いて、スコップで材料を混ぜるだけでできる。戸建て住宅の土間や駐車場の施工では現場で小型ミキサーを用いることもある。
しかし、本来はJISで規格が定められており、土木や建築を含めて大型構造物の建設では、認定工場が製造したものを用いる。材料そのものはシンプルだが、これにも規格があり、複数の種類がある。
構成比の約70%を占める骨材 |
コンクリートを構成する材料の構成比は、最も多いのが粗骨材、次いで細骨材、水、セメントの順である。仕上がった断面を見ると、粗骨材の間に細骨材が入り、さらにこれらの間を水とセメントの混ざりあったセメントペーストが埋めて強固な構造体となる。
コンクリートは、建設構造物の圧縮力を負担する。その役割を果たすのが骨材であり、容積の約70%を占める。品質がコンクリートそのものの各種の物性に及ぼす影響は大きく、使用できる骨材についてはJIS A 5005などで規定されている。
粗骨材は、一般的に呼べば砂利であり、細骨材は砂である。かつては河川敷で採取した川砂利、川砂が用いられていた。しかし、資源の枯渇や環境面への影響があり、現在では岩山を掘削して砕いた、砕石が主に用いられている。
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砂利 |
骨材の寸法は、構造物の種類などによって異なる。また、現地で生産されるものなので地域の供給状況によって違いはあるが、最大粒径が20mm、または25mmが一般的で、40mmが用いられる場合もある。建築に比べて、大量に用いるマスコンクリートが多い土木構造物の方が、粒径が大きい傾向にある。
砕石以外でも骨材に用いられている材料がある。高炉スラグである。粗骨材は1977年、細骨材は1981年にコンクリートの材料としてJISで制定されている。鉄を製造する段階で発生する副産物であり、日本建築学会や土木学会の施工指針にも盛り込まれている。
コンクリートの耐久性に影響がある有機不純物や粘土などを含まないほか、品質のバラツキが少ないといった特性がある。天然骨材が枯渇する傾向にあることで、粗骨材の社会的なニーズも高まり、需要が増加傾向にある。
セメントは品質を左右する接着剤 |
コンクリート全体に占める割合は少ないが、骨材を接着する役割を果たすセメントも品質を左右する材料である。ひび割れや劣化、施工不良などを防ぐためにも構造物の条件に応じたセメントを選択する必要がある。ホームセンターでも販売されている一般的な普通ポルトランドセメントのほか、早強ポルトランドセメント、高炉セメント、フライアッシュセメントなどがある。
例えば、マスコンクリートが多い土木構造物では、低熱ポルトランドセメントなどが適している。温度ひび割れ対策になるほか、長期間にわたって高い強度を発揮する。普通ポルトランドセメントに比べれば割高だが、構造物の品質を高めてライフサイクルコストを抑えることもできる。
高炉セメントやフライアッシュセメントも初期強度は小さいが長期強度は高いという特性がある。化学物質に対する抵抗性があり、コンクリートの代表的な劣化原因であるアルカリ骨材反応に対しても効果がある。高炉セメントは、水密性が向上して、塩害の原因となる塩化物イオンの侵入を抑制することから海洋構造物に用いられることが多い。
品質や施工性を高める混和剤 |
コンクリートの性能を改善するために用いられているのが混和剤である。
AE剤、減水剤、AE減水剤、流動化剤などがある。コンクリートは水の割合が低いほど、品質は向上して強固になる。しかしポンプ圧送では、ある程度の流動性が必要で、いわば相反する性能が求められている。さらに、耐震性能を高める目的で鉄筋は太く、密に設計されるようになってきていることから充填性の面では、より高い流動性が必要になってくる。
これらに対して、多く用いられるのが高性能AE減水剤である。コンクリートの単位水量を減らすことができ、使用量を調整することによって性能をコントロールすることができる。
目標とする構造物の品質や施工性などを考慮して複数の混和剤を併用する場合もある。しかし性能だけを追求すると、薬の飲み合わせのように混和剤にも相性がある。大量のコンクリートを打設することが多い土木構造物では複数の工場から調達する場合もある。工場によって使用する混和剤の種類が異なれば、相性によって目的の性能を確保できないケースも出てくる。便利な材料ではあるが、あらかじめ試験練りを行うなど品質を確認する必要がある。
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