2018.08.09
社会資本を支えてきた陰の立役者
土木事業を中心にして調査から設計、監理までを担当する建設コンサルタント。建築の設計者のように表舞台に登場することはないが、社会資本整備を支える陰の立役者でもある。
道路や鉄道、港湾、空港、上下水道など担当する分野は幅広い。全てをこなすところもあれば、得意の分野に特化している会社もある。
中立的な立場で発注者を支援する |
建設コンサルタントは、18世紀末にイギリスで誕生した。社会資本整備について設計から施工まで一括して担当していた建設会社とは異なり、中立的な立場で発注者を支援するようになったのである。
日本では、設計を含めた一連の業務は発注者である国や自治体が直轄で行っていた。しかし、戦後の復興から高度成長期へと進展していくなかで、社会資本整備の事業量が拡大。発注者自らの対応には限界があり、外部の専門集団である建設コンサルタントに委託するようになった。しかも、その範囲は拡大を続けてきた。
20部門に及ぶ業務内容 |
建設コンサルタントは、国土交通省の規定に基づいた登録企業であり、事業所統計などではサービス業に分類される。その業務範囲は実に幅広い。
登録制度による部門は20にもなる。河川・砂防及び海岸、港湾及び空港、電力、道路、鉄道、上下水道、さらには農業、森林、水産などの事業別が12部門。各部門共通の横断的なものとして地質や基礎、施工計画、積算、施工計画、建設環境などが8部門ある。
しかも発注者の依頼を受けて、積算や設計図書を作成するだけでなく、プロジェクト全体をカバーする役割を果たすようになってきている。
例えば道路では、交通量を予測してルートを選定し、具体的な橋梁やトンネルなどの構造物を設計するといった総合交通計画を策定することもある。
上下水道では、それぞれ施設設計に加えて、既存施設の耐震診断や更新計画、都市型水害に対するハザードマップの作成、さらには各事業への民間活力導入支援など幅広い。
河川や砂防でも総合計画の作成のほか、ハザードマップの作成や防災情報システムの設計もしている。都市部では、産業、経済、社会情勢などを調査して解析、自治体の総合計画の策定に参画することもある。
市街地再開発事業や中心市街地活性化事業の計画も担当したりしている。
維持管理業務への依頼も増大傾向に |
受注先は、これまで自治体を含めた官公庁が大半を占めていた。しかし、民間の開発事業者からの依頼も増大。計画から設計、監理といった施設の建設や整備事業だけでなく、完成後の管理運営業務に対する依頼も増加している。
社会資本の新設から維持管理時代への流れを反映して、橋梁の点検、モニタリングといった需要も増大。全国の自治体で共通の課題ともなっている地域活性化のためのイベントの企画依頼や実施についても担当するようになってきた。国内での実績を活かして海外でのプロジェクトに携わる会社も増えている。
ゼネコンのように、これらのすべてをこなす総合コンサルタントもあれば、独自の強みを活かして上下水道、都市計画、港湾のほか、廃棄物、環境などといった分野に特化した会社もある。地域に密着した地方の企業もあるなど、形態は様々である。
では、どのような特色があるのか。重ねてきた実績や将来像を含めて紹介していく。
(2018年8月時点)
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