補強土のパイオニアとして変化に適応した新たな技術で社会に貢献

 

                                         


 

 

 補強土壁 テールアルメ工法          地山補強土 EPルートパイル工法

 

 

 

   補強土のパイオニアとして

 

 1963年にフランスで開発されたテールアルメ工法は、鋼材を使用して土を補強し、垂直盛土を構築する工法。日本では1972年に初施工以来、さまざまな改善や改良が加えられ、一般工法として定着し、これまでの採用件数は4万件、面積規模は2020年時点で約1,100万㎡にも及ぶ。

 ヒロセ補強土株式会社は、テールアルメ工法の第一人者として、半世紀にわたり、その普及や技術の発展に寄与してきた。さらに補強土壁をはじめとした擁壁商品及びアーチカルバートなどの多種多様な工法の開発・提案・販売・施工を通じ、補強土のパイオニアとして社会基盤の構築に貢献し、これまでに25,000件の施工実績をもつ。近年は、「EPルートパイル工法」をはじめとした工事事業を強化している。補強土事業で培った経験とノウハウを生かし、保全・維持補修工事や阪神淡路大震災、東日本大震災、熊本地震等の震災復興や防災にも大きく貢献している。

 

 

 

   豊富な実績と知見に裏付けられた技術提案力

 

 近年では、災害復旧や地山や構造物の補強、長寿命化対策など、インフラ整備にも多様なニーズが生まれている。難易度の高い工事も増え、地形や地質、景観など、要件に合った最適な工法を選び、安全に施工を実施することが重要になる。これらの課題に応えるため、ヒロセ補強土株式会社では、社内の施工担当者、設計担当者、営業担当者による検討会を行っている。個々の現場の条件に合わせて、補強土工法だけでなく、さまざまな工法の中から最適な工法を比較検討し、さらには自社・他社製品問わず、多種多様な商品の比較や組み合わせた提案を行う。また資材搬入や資材置き場などを事前に検討することで施工の効率化や安全性向上を支援し、関係者間の合意形成の一助ともなっている。

 同社の約60%の社員が土木関連の資格保有者であり、豊富な経験や知見に裏付けられた技術提案力は同社の強みである。年間3,000件にものぼる提案件数からも信頼性の高さがうかがえる。

 

 

 

   開発から施工まで一気通貫の支援体制

 

 ヒロセ補強土株式会社の強みは技術提案力だけではない。施工指導までインフラ整備事業に一気通貫で関わり、スムーズな事業推進をサポートする。

資材を納入した後も、専門スタッフによる技術指導を徹底しており、現場ごとに異なる生きたノウハウを培っている。現場ノウハウは技術開発にフィードバックされ、現場の改善や商品の改良に生かされる。ヒロセ補強土株式会社は安全・安心を第一に「施工現場」のことを踏まえた商品の提供を行っている。

 

 

   

 

 

 

   さまざまな工法

 

地形や現場のニーズに合わせて、さまざまな工法が選択できる。

 

  

 

  

 

  

 

 

 

   BIM/CIM導入や設計の高度化に向けて

 

 国土交通省では、建設生産・管理システムの効率化・高度化を図るためにBIM/CIMを推進し、2023年までに小規模工事を除く全ての公共事業でBIM/CIMを原則適用することになった。設計、施工、維持管理の一連の流れに3次元モデルを導入することにより、安全性・品質の確保、業務の効率化、コスト縮減が可能になると期待されている。ヒロセ補強土株式会社でも、構造物の3次元モデル設計への適用化や構造物の変形予測(FEM解析)など、幅広いソリューションを提供している。構造物解析設計では、施工段階における変形量の計算、部材の照査、地震時の残留変形等についての解析やシミュレーションを行う。さらに解析結果をもとに最適な工法の提案を受けられることも大きなメリットだ。

 

 

解析事例

 

 

 

 

   CPD認定・オンデマンド型Web講習会

 

コロナ禍を契機にオンラインの活用が進み、ヒロセ補強土株式会社でも工法の検討や設計計算などを気軽に問い合わせできる「オンライン相談室」を開設した。メールによる相談の他、ZOOMやGoogle meetを活用したオンライン上での打ち合わせも実施している。技術資料や災害復旧に適した工法に関する資料も公開しており、検討の際にはぜひ活用したい。

また設計コンサルタントや土木技術者を対象にしたインフラ構造物の最新技術に関するWebセミナーを無料で開催している。このセミナーは、土木学会認定の継続教育(CPD)プログラムとなっている。他の企業や共同研究をしている大学からも講師を招き、基礎的な概論から最新の技術情報、さらにインフラの長寿命化や災害復旧事例などを集中的に学べる。講習会はオンデマンド配信形式のため、期間内であれば好きな時にいつでも聴講でき、視聴者数は延べ2000名を超える。日々の業務に役立つ知識が得られると好評を博している。

 

 

CPD認定のオンデマンド型Web講習会

 

 

 

   維持管理やi-Constructionに対応した新技術

 

2017年8月に制定された「道路土工構造物点検要領」により、補強土壁などののり面保護施設は、特定道路土工構造物として5年に1回の点検が求められるようになった。「KDパネル(KT-200017-A)」は、テールアルメ工法の維持管理を目的に開発されたモニタリング部のある壁面パネルとして2017年から導入開始している。あらかじめ、壁面パネルにモニタリング部を設けておくことで内部の状態が確認でき、定期点検が容易になる。埋設した専用補強材で引き抜き試験やサンプリングによる性能試験を行うこともできる。

 

さらにi-Constructionの実現に向け、ICT機能を追加した新型KDパネルの開発に取り組んでいる。設計・施工・維持管理情報を記録できるICタグ、パネルや補強材に関する各種情報を非破壊で取得できるセンサーを導入し、省人化・省力化を図ることも可能になる。点検口を簡易に開閉できる蓋式構造と組み合わせることで、リーダーをかざすだけでデータを読込み、効率的に維持管理が行える。

 

   

点検作業を効率化するKDパネル                                     引き抜き試験により摩擦係数を確認

 

      

補強材の腐食の進行状況を把握

 

 

 また、i-Constructionによる生産性向上に対応したテールアルメとして、嵩上げコンクリートと基礎部をプレキャスト化した「オールプレキャストテールアルメ」も開発されている。足場工、型枠設置撤去、コンクリート打設、鉄筋工、養生期間が不要となり工期短縮が実現できる。

 

 

i-Construction対応型オールプレキャストテールアルメ

 

 

補強土工法のパイオニアとして、安全な工法・製品を安定して提供するヒロセ補強土株式会社は、インフラ整備における防災・減災、国土強靭化、さらにはi-Constructionや建設業のDXといった時代の変化に合わせた新たな技術や製品でこれからも社会に貢献していく。