NETIS:QS-150032-VE
循環式ハイブリッドブラストシステム
一般社団法人 循環式ハイブリッドブラストシステム工法協会
高齢化する橋梁 |
高度経済成長期以降に集中的に整備された橋梁は急速に高齢化し、建設後50年を経過する
橋梁は2023年に43%、2033年には67%に増加すると見込まれている。国土交通省では、2
013年を「社会資本メンテナンス元年」と位置付け、将来を見越した戦略的・計画的な社会
インフラのメンテナンスを推進。定期的な点検により、早期に損傷を発見し、事故や架け替
え、大規模な修繕に至る前に対策を実施する予防保全が推進されている。
道路法改正等により、2014年から道路管理者は、全ての橋梁、トンネル等について、5年
に1度、近接目視による点検を実施することになり、2018年度末には点検の対象となる717
,391橋梁の点検がほぼ完了した。その結果、「早期に措置を講ずべき状態」が10%(約68,
400橋)、「緊急に措置を講ずべき状態」が0.1%(約700橋)となっている。
再塗装で重要な素地調整 |
鋼橋では、塗膜による防錆や防食のための再塗装が欠かせない。点検結果や残供用年数な
どを踏まえ、腐食範囲に応じて局部塗装、部分塗装、全面塗り替えが行われる。塗装の前処
理として行う素地調整(下地処理)の中でも重要な工程がケレンである。素地調整の作業は
4種類に分類され、さびの面積や塗膜の割れ、膨れなど旧塗膜の状態からどの程度の素地調
整を行うかを判断する。1種ケレンは、さびや旧塗膜を完全に除去して鋼材面を露出させる
ため、防食効果が高い。細かい砂や金属片などを使った研磨剤を高い圧力で打ち付けて表面
を磨くブラスト法が用いられるが、粉塵の飛散や騒音など周辺への影響が課題となっている
。また鉛の含有量によっては、特別管理型産業廃棄物として処理する必要がある。
金属系の研削材を回収・再利用する技術 |
「循環式ハイブリッドブラストシステム」は、橋梁の補修・補強工等において、鋼構造物
の素地調整(1種ケレン)やコンクリート劣化部のチッピングを行うための循環式機能付き
のブラスト工法である。エアーブラスト(加圧式)工法などに代わる新しい工法としてNET
ISに登録された。
ブラスト処理後のケレンかす(研削材・剥離物)を吸引分別し、研削材を循環させ再利用
できるのが特長。研削材と旧塗膜・コンクリート粉を分別できるほか、研削材は繰り返し投
射可能で、旧塗膜やコンクリート粉は集塵分別されダストボックスに回収する。研削材と塗
膜を完全分離させることにより鉛やPCBなどを含有する塗膜のみを処理することができる。
これにより産業廃棄物の排出量を大幅に低減でき、経済性の向上や環境負荷低減が期待でき
る。また研削材にスチールグリッドを採用しており、粉塵の発生を抑制することで作業環境
も向上する。
従来ブラスト機は難易度が高い作業が多く、熟練工に頼る部分が大きかったが、循環式ハ
イブリッドシステムは電気制御で管理されているため安全性が高く、誰でも簡単に操作でき
、省力化が実現できる。
施工条件や現場条件に合わせて5タイプ |
大型機から小型機まで5タイプの機械があり、施工条件や現場条件に応じて機種を選定で
きる。施工性が向上し、橋梁はもちろん機械の設置困難な歩道橋・支承の施工にも対応。同
時回収が可能なため、飛散防護が困難な場所でもバキューム機能で施工が可能である。車載
型ブラスト機の場合は、移動性に優れるため設置スペースに制約がある現場や点在する現場
で活躍する。
循環式ハイブリッドブラストシステムは、鋼橋のRc-1(ブラスト工法)、特に鉛やPCBを
含有する塗膜に最適。またコンクリートのチッピングもバキューム工法で施工が可能である
。さらに新橋の添接板・溶接部にもバキューム工法で施工ができる。
橋梁をできるだけ長く保全し、安全で安心な通行やライフサイクルコストの縮減等を図る
ためにも、維持管理や補修・補強はますます重要になっている。経済性や省力化、環境負荷
低減に貢献する新技術として、循環式ハイブリッドブラストシステム工法の活用が増えてい
くことだろう。
エラーが発生しました。
次のいずれかの理由が考えられます。