(株)フォトラクション

企業概要

 株式会社フォトラクションは、「建設の世界を限りなくスマートにする」というミッションのもと、建設生産支援クラウドサービス「フォトラクション」の提供で建設業の生産性向上を支援している。CEOの中島貴春氏は大学院でBIMの研究をしたのち、大手ゼネコンに入社。施工管理を行う中で、日々の現場業務で意識が薄れがちな作業こそ効率化が必要だと痛感し、Photoructionの原型となる写真管理ソフトを開発したことが起業のきっかけとなった。

会社情報

メーカー
(株)フォトラクション
所在地
〒104-0045 東京都中央区築地5-4−18 汐留イーストサイドビル6階
TEL
03-6774-7642
企業情報
https://corporate.photoruction.com/

デジタル化とBPOで施工管理業務を効率化

 2017年にサービスを開始したPhotoructionは、写真管理や図面管理、工程管理などの多くの施工管理業務を一元化し、プロセスを可視化、関係者で共有するクラウドシステムとして建設業界で導入が進んでいる。2022年10月からはクラウド型の建設BPO(業務プロセスの外部委託)機能を搭載し、検査準備、施工計画書の作成、電子小黒板等の提供も開始している。中島社長は「従来のクラウドサービスにBPOを組み合わせたことで大幅な生産性向上を実現した」と語る。

                

 

   20万件のプロジェクトで導入

 

 Photoructionを導入することで、現場での1人あたりの作業は月に20時間削減でき、報告作業にかける時間は99%削減することが可能になる。大手ゼネコンをはじめ、専門工事会社、設計会社などで活用が進み、これまでに建設プロジェクト約20万件で導入されている。 

画面上にある建設BPOメニューの中から選択し、実行することで作業が自動化できる。従来のBPOでは要件定義やマニュアルの整備などを行う必要があったが、そのような事前準備は不要。クラウド経由で活用できるAIなどのテクノロジーと、オペレーターが連携して作業を行うことでスピーディかつ低コストでサービスを提供できる。BPOのメニュー開発や納品データの品質チェックは、専門知識のある自社スタッフが行っており、信頼性も高い。同社の約40%は現場での施工管理の経験者だ。

 

 

 

 

   業務の標準化が生産性向上の鍵

 

 IT業界では、ソフトウェアの開発手法のベストプラクティスがあり、どの会社でもITエンジニアの仕事の進め方は大きく変わらない。一方で建設業界は同じ会社でも現場ごとに業務の進め方やルールが違い、人依存になっていることが課題だ。手順やデータ管理の方法を標準化することで、誰が行っても品質にばらつきがなくなり、タイムロスも減り、生産性向上につながる。

 

現場の業務を改善し、新たな仕組みをつくるのは容易ではないが、企業内あるいはプロジェクト単位で共通のアプリケーションを使うことで、紙の書類をデジタル化し、業務プロセスを標準化することができる。技術者を煩雑で時間や労力のかかる業務から解放することで、本来考えるべき建物や構造物の品質向上などに時間を使えるようになる。これこそが、Photoruction導入の大きなメリットだといえる。自社のDX戦略を実現するためのプラットフォームとして、全社で導入し活用する企業事例も増えている。

 

 

 

 

           

 

 

 

 

 

   公共工事の現場でも活用が進む

 

 Photoructionは、2020年に国土交通省NETISに登録[KT-200062-A]され、公共工事における現場の検査、出来形管理、書類作成・整理、工事関係者間の情報共有などの工事監理業務で活用が進んでいる。さらに今後は、設計⇔施工それぞれで有益なデータを活かす目的のもと、土木の施工管理でトップシェアを持つ福井コンピュータホールディングスと協業し、業界に特化したソリューションの拡大を進めていく方針だ。

 

 

 

   デジタルゼネコンと建設テックの2軸で成長を

 

 中島社長は「建設業のDX推進のために、これからは工事着工前の計画や調達業務などバリューチェーン全体に領域を広げ、バリエーションを増やしていきたい。それと同時に、見積や積算業務のサービスの準備を進めているところにある」と今後の展望を抱く。

また、将来的にフォトラクションが目指す姿は、クラウドベースの新しいスタイルの建設業 ”デジタルゼネコン” だという。それは自社では設計施工の機能は持たないが、アプリやBPOで支援の幅を広げることで建設会社のものづくりを支え、ともに成長していく存在となること。さらに「世界に目を向ければ市場規模1,400兆円ともいわれる超巨大産業の建設業では、我々1社ですべてを実行できるとは思っていない。他社との連携を含めながら ”建設テック” をひとつの産業に成長させ、業界全体を潤わせたい」と中島社長は続ける。

 

中島社長は、2022年に一般社団法人建設テック協会を設立し、代表理事に就任した。“デジタルゼネコン”と”建設テック”の2軸で発展を目指すフォトラクションは、これからも建設DXの先駆者として突き進んでいくだろう。

 

 

 

 

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工事の管理において、大量の写真・図面・書類の整理、タスク管理及び検査をワンストップで行い、蓄積した情報を工事関係者間で共有するもの。

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