2023.01.01
第二建設株式会社
応力開放等により開口が発達した亀裂性岩盤は、強度の異方性から変形やズレを起こし易
い「緩み岩盤」として、日常的に重力や風化の作用によって不安定化が進行している。
本工法はDK ボンドモルタルを充填し、亀裂・空洞を閉塞して風化を防止すると共に、そ
の接着性(相互作用と凝集力の強さ)によって、浮石を基岩部に固定し、落石の発生を防止
する技術である。
特 徴 |
【工程の合理性】
清掃・水洗工 亀裂面の凹凸を露出させ、面積の増加により表面張力が高まり、相互
作用が促進される。
目地工 DK ボンドモルタル目地用(EVA 系ポリマーセメントモルタル)を亀裂面に刷り
込み、押し付けることにより、アンカー効果や分子間力等の相互作用を確実に発
現させることができる。
注入工 DK ボンドモルタル注入用を亀裂深部に注入し、注入液の自重により亀裂細部ま
で拡散、充填するため、相互作用の確実な発現が可能となる。
硬化(固化) セメント水和反応とポリマー被膜の形成が同時進行し、硬化して凝集力(
耐破壊力)を獲得する。
【工法の有効性】
○ 面接着で応力が分散されるため、応力集中による接着部からの破壊を防止できる。
○ 面接着性と空隙への充填性により振動減衰効果が得られ、耐震性能として機能する。
○ 石片を使用してモルタル量を節減するため、施工コストの削減と共に、水和熱の上昇を
抑えることから硬化収縮を抑制できる。
○ ポリマーの気泡連行性により凍結融解の抵抗性を高める。(相対動弾性係数>100%)
DK ボンドモルタルの凍結融解に対する抵抗性
適 用 |
○ 外観を損なわず自然景観と調和するため、貴重な風景を将来に残すことができる。
○ 不安定な巨岩や高所岩等にも対応可能。
○ 災害時緊急対応や応急処置に適用できる。
○ 設備が軽微で狭い作業ヤードでも対応可能。
○ 他の落石対策工とも容易に併用できる。
技術評価 |
NETIS SK-980021-VE(2017年4月掲載期間終了) 平成28年度活用促進技術