2023.01.01
ナカダ産業株式会社
海岸工事における根固め工や被覆材にはコンクリートブロックや捨石が主に利用されてい
た。最近では、河川工事で実績の多い袋詰玉石工も、施工の容易性や地形凹凸への馴染みが
良いことから海岸工事へ活用されている。一方で、袋詰玉石工は巾着状の網に中詰め材を投
入しただけの構造であるため、波浪や流れにより網の中を中詰め材が動くことで変形し、安
定性が損なわれる可能性が指摘されていた。
ナカダ産業㈱ではこの課題を解決するために、底部吊上げ構造(=ボトムリフト構造)を
有した袋詰玉石工「ロックユニット」を開発した。自重により中詰め材を拘束(Lock)し、
一つの岩(Rock)のようにできることが製品名の由来である。
特 徴 |
1.高拘束力を発現する構造
ボトムリフト構造により網が中詰め材を強く拘束し、中詰め材の移動を抑制しているため
、波浪や流れに対して変形しにくい。波浪に対する安定性は二次元水槽水理模型実験により
確認されている。また、施工工程における吊り上げ・吊り降ろし時の形状変化が少なく、施
工効率の向上も期待できる。
2.高耐久性の網地
ロックユニットは従来の河川用製品と比較して3~4倍以上の太さを持つ極太ラッセル網地
を使用しているため、引張強さが向上した結果、耐久性が向上している。
3.省資源化に貢献する素材
素材にはペットボトル等をリサイクルした再生ポリエステル繊維を使用している。天然資
源から新たに繊維を生産する必要がないため、省資源化につながる。
4.施工が容易
網地の中に中詰め材を投入し、網を閉じるだけの製作工程であるため、容易かつ迅速に施
工ができる。
用 途 |
1.捨石マウンドの被覆工
2.海岸護岸の根固め工
3.仮設護岸、仮設道路などの仮設構造物
4.災害復旧工事
施工事例 |
写真-1 捨石マウンド被覆材としての事例
写真-2 仮設道路の被覆材としての事例
規 格 |
標準規格として、2t型~12t型までを揃えている。ただし、それ以外の規格も対応可能であ
るため問合せが必要。
※1 dtex:繊維1万m当たりの重量(g)。太さの指標。
その他 |
新技術情報システム(NETIS)登録番号:QS-200023-A
港湾関連民間技術の確認審査・評価事業評価技術第17004号