2023.03.14

【特集記事】ヘリポート付 防災コミュニティセンター 

 エアロファシリティー株式会社

 

 

 

 まちづくりによる水害の減災対策


 

 近年、各地で水害が増加している。国土交通省の調査では、全国の約97%の市区町村で、

2011 年から2021 年の10 年の間に1 回以上の水害が起きているという。雨が多く海に

まれている日本では、水害はどこでもあり得る災害といえよう。
 国や自治体は洪水や津波などの水害から住民を守るための対策を進めているが、河川

修や治水施設の整備には多くの費用と時間が必要だ。そのため土木的な防災対策だけでは

なく、災害リスクを考慮したまちづくり、“ 減災” 対策が重要となる。

 

 

   新たな避難所
 防災コミュニティセンター

 

 減災対策として最も重要なのが住民避難だ。これまで避難所は、公民館や学校体育館など

が中心となっていたが、近年全国で、市民センターやコミュニティセンターなどに防災資機

材倉庫を併設した「防災コミュニティセンター」が設置される例が増えている。
 平常時は地域のコミュニティ活動の場、災害発生時には避難所となり、地域の防災活動拠

点としての役割を担う。減災対策の充実が求められるなか、今後は老朽化した公民館等の代

わりに、防災コミュニティセンターが建設される例が多くなると予想される。

 

 こうした中、ヘリポート付の防災コミュニティセンターを提案しているのがエアロファシ

リティー(株)だ。同社はヘリポートの設計・施工・メンテナンスまでワンストップで手掛

ける日本で唯一の会社であり、医療施設や公的施設などに数多くのヘリポートの実績がある。

 エアロファシリティーが提案する施設は、想定される水位以上にかさ上げしたパブリック

スペースと、その上階に設置されたヘリポートで構成される。洪水ハザードエリアにも設置

可能で水害や津波などに強く、様々な災害時に防災拠点として機能するのが大きな特徴だ。

建築面積は400m²以上あれば建設でき、費用も4億円程度と市町村の予算での検討が可能。

公民館建替地など住民が利用しやすい場所に、地域交流や住民サービス施設の一つとして設
置できる。

 

 

 

 

 

 平常時も災害時も活躍するヘリポート


 

 陸路が寸断された場合に、有力な輸送手段となるのがヘリコプターだ。重傷者の搬送や支

物資の輸送には欠かせないものであり、災害対策としてヘリコプターが離着陸できるヘリ

ポート※の整備は必須といえる。
 避難所の慣れない環境では、健康を害する人もいる。また、透析患者や妊婦、基礎疾患の

ある高齢者などは一刻も早く病院で手当てを受ける必要がある。その場合も、中型ヘリコプ

ターを利用すれば1 回の飛行で約10 名を搬送でき、万が一避難所が収容人数を超えた場合

も迅速に搬送できる。
 また平常時もヘリポートがあれば、大病院まで離れている地域ではドクターヘリによる患

者搬送ができ、医療体制の充実にもつながる。
 このようにヘリポートを設置することで機能性、安全性が高まり、さらに価値の高い施設

を提供することが可能になる。平常時も災害発生時も有効利用できるヘリポート付防災コミ

ニティセンターは、住民サービスの向上にも大きく寄与するといえよう。

 

 

 

  ※緊急救助スペース(Rマーク)はヘリコプターが着陸はできず、ホバリングでの救助活動しかできない。

 

 

 

 

 ヘリポート設置例


 

 

 

 島根県浜田医療センター

 救急救命センターに隣接した駐車場の一部に ヘリポートと備蓄倉庫を整備

 

 

 

 岩手県立胆沢病院

 ヘリポートの下に備蓄倉庫を備える