2023.06.06

異形棒鋼「溶融亜鉛めっき鉄筋」

横浜ガルバー株式会社

 

 

   溶融亜鉛めっきの特性

 

 犠牲防食作用

  腐食を防ぐ「犠牲防食作用」は、亜鉛めっきに万一キズが発生し、素地の鉄が露出した

  としてもキズの周囲の亜鉛が「鉄より先に溶け出して」電気化学的に保護するため、鉄

  を腐食させない作用。

 

 

 

   溶融亜鉛めっき皮膜の特徴

 

1.Life Cycle Costが他の防錆方法よりきわめて低い。

2.塗装より高耐食性である。(20年~100年)

3.金属への付着のため、梱包・取り扱いが容易。

4.高耐食性皮膜により、腐食速度は鉄の1/10以下。

5.めっき皮膜の密着力は塗装被膜の10倍以上。

6.内外面の隅から隅まで皮膜が形成される。

7.一般的な鉄の機械的性質に変化を与えない。

8.多種多様な鋼鉄製品に適用できる。

9.亜鉛めっきの上に塗装ができる。(着色・重防食)

10.納期が早く、天候に左右されることがない。

11.コンクリートとの密着性が黒皮材と同等以上。

12.接合面のリン酸塩処理により、高力ボルトが使用可能。

 

 

 

   溶融亜鉛めっき皮膜の断面写真と組成

 

 

 

 

■亜鉛めっき鉄筋種別

 

 

 

 

■評定番号

BCJ 評定・SS0009-04

(一財)日本建築センターの評定を取得しており、建築材料としても利用できる。

 

 

 

   溶融亜鉛めっき鉄筋の特徴

 

溶融亜鉛めっき鉄筋(以下めっき鉄筋)は「鉄筋コンクリート用棒鋼」に規定する機械的

能を保持しながら普通鉄筋(黒鉄筋)の耐食性を向上させる利点がある。

 

 

1.塩害対策

  めっき鉄筋は通常の普通鉄筋と比べ、海塩粒子などの塩化物に対して、耐食性倍率が

  3~4倍向上するとの報告がある。

 

2.腐食対策

  めっき鉄筋は鉄よりも腐食電位が低い亜鉛と鉄-亜鉛合金層の強固な皮膜で覆われて

  いるため、犠牲防食作用が働き、塗膜を被覆した鉄筋(以下エポキシ鉄筋)と異なり、

  皮膜の不具合で局部的な腐食が発生することは殆どない。

 

3.耐加熱

  めっき鉄筋は耐加熱性に優れて、鉄筋が加熱されても、エポキシ鉄筋のように軟化や

  炭化がなく、火災などの加熱によるコンクリートとの付着力が低下するといったリス

  クを低減する事ができる。

 

4.低コスト

  めっき鉄筋のコストは、エポキシ鉄筋の工程よりも容易に表面処理できることで安価

  となる。

 

5.密着性

  溶融亜鉛めっき皮膜は鉄素地上に、10%の鉄を含む亜鉛-鉄合金(柵状層)を合金化反

  応で形成。5%の鉄を含む亜鉛-鉄合金(柱状層)と、純亜鉛層が付着した3層からな

  、合金を形成する強固な密着力で結合。

 

6.亜鉛めっき鉄筋の付着量

  JIS H8641 HDZT77とする(77μ以上)

 

7.コンクリートの品質条件

  亜鉛めっき鉄筋を用いるコンクリートの品質についてはJASS5の3節に規定するものと

  する。