2018.06.18
株式会社 ウッドプラスチックテクノロジー
コスト削減や工期短縮に貢献する
木質繊維とプラスチックの複合材料を用いた敷き板
仮設道路や作業場の養生など建設現場で使われている敷鉄板。従来からの鋼板は重量があ
るため、設置には重機が必要となり、運搬費、設営費、作業の安全性といった課題がある。
そこで敷鉄板の代替として登場したのがプラスチック製の敷き板である。
軽量で、運搬・設営が容易なことから、右肩上がりに需要が伸びている。最近では、それ
ぞれの特性を生かしてプラスチック板と鋼板を併用するケースも増えてきた。
そのような中、プラスチック製よりもさらに安く、環境負荷が少ない木質バイオマスとプ
ラスチックの複合材料「ウッドプラスチック」を使った養生用敷き板「Wボード」が注目
を集めている。NETISno.CG-150003-A
東大発 ベンチャー企業による国内製造 |
株式会社ウッドプラスチックテクノロジーは、東京大学で開発されたウッドプラスチックの
製造技術を事業化するため、2008年に設立されたベンチャー企業。
木質バイオマスとプラスチックの複合材料「ウッドプラスチック」で、建設業、物流業で使
用される資材を製造している。ISO9001認定を取得した鳥取県と岡山県、2か所の自社工場
で、高品質の製品を安定供給できるのが同社の強み。
ペットボトルキャップのリサイクルや森林保護への取り組みも行うなど、エコに配慮した
活動を積極的に行っている。
独自技術による環境にやさしい資材 |
原材料の木質バイオマス資源は、製材工場から発生する副産物の木質繊維。
木質バイオマスとプラスチックを混合溶融機で攪拌することで摩擦熱を発生させ、摩擦熱で
プラスチックを溶かし木質繊維と一体化した「ウッドプラスチック」が生成される。この材
料を大型プレス機(加圧力3000トン級)で成形したものが「Wボード」である。
プラスチックは再生材料97%以上を使用しており、エコマーク認定商品。国土交通省の
NETIS登録の他、鳥取県、岡山県、福岡県、北九州市の新技術、新工法活用制度にも登録さ
れている。
軽量で少人数での設営が可能 |
木質バイオマスは、カーボンニュートラルな材料であり、その利用は環境負荷低減につなが
る。また木質繊維を混ぜることで補強され、プラスチック単体よりも、曲げ強度、曲げ剛性
を高めることができる。さらに温度変化に対する膨張収縮も、プラスチックよりも小さくな
り、耐熱性も向上するというメリットがある。
4×8サイズの敷鉄板が513kgなのに対し、Wボードはわずか39kgと軽量。大型トラック1台
で大量に運べ、輸送費やCO2排出量の大幅な削減になる。
設営にはクレーン作業が不要になるため、少人数、短時間での設営が可能になり、設置作業
も安全に行える。輸送や設営が容易なことは、工期短縮や工費削減にもつながる。
豊富なカラーバリエーションで職場環境向上にも最適 |
黒の他、ピンクやブルー、グリーン、イエローの5色展開も「Wボード」の魅力。
豊富なカラーバリエーションとハンドリングの良さから、建設現場の職場環境の向上にも利
用されている。
限られた予算の中で効果的に環境美化を図ることができるのは大きなメリットだといえる。
また車両走行時の騒音を緩和する効果もあり、職場環境改善や周辺への配慮にも役立ってい
る。
建設分野でも多くの女性が活躍する時代。
現場の環境美化や安全性は大きなテーマになっている。また建設資材にも省力化、軽量化が
求められている。「W ボード」は、まさにそうしたニーズに合致した製品だといえる。
サイズは3種類あり、各両面、片面の計6種類。滑り止めの形状も大小の2種類があり、用途
に応じて使い分けられる。
建設工事の他、イベント会場の歩行路や養生、遊休地、住宅地における駐車場など、さまざ
まな用途での利用も増加している。
今後もさらなる展開が期待される。