2018.06.18

油分散洗剤 バイ・ファー ゼット-エム 

 

グローブ イーピー株式会社

 

 

油を細かくして再結合防止

二次汚染も防げる油分散洗浄剤


 

 

 

洗剤による二次汚染を防止する。油の粒子を細かく分散して、再結合しにくくさせるのが油

分散洗浄剤バイ・ファーゼット エム(BY・FAR Z-M)だ。

 

洗剤開発・製造会社のグローブ イーピー株式会社(本社:福島県郡山市)が 商品化したも

ので、国土交通省のNETISに登録している。NETISno.TH-070010-VR

 

 

 

   油本来の物性を失わせる

 

これまでの洗剤は、界面活性剤を多量に使用して油汚れを大きいまま取り除いていたため、

油は高粘度状態を維持していた。そのため、再び再結合、再付着したりすることもあった。

 

ならば、油の粒子を細かくすれば、再結合や再付着を防げるのではないか。

 

この原理に着目して開発されたのがバイ・ファー ゼット エムである。油の粒子を微細化

し、その間に水が流入して粒子間の距離を広げる(加水分散)。

 

微細化と加水分散で引き離された油の粒子は、再結合できにくい状態になり、本来の物性を

失う。

 

これによって、洗浄後に浮上油による油紋の発生を防止し、結合による固化も防ぐことがで

きる。3~100倍で希釈使用でき、汚れに応じて希釈倍率を変えることができる。18kgで最

大1800kgの希釈液を作ることができ、広い現場での使用の際は、輸送面でのコスト削減も

可能。

 

 

 

 

   環境面の国際規格もクリアする

 

主な流出事故対応箇所

  

海での使用に関して

型式承認番号を取得していないので、海で使用する場合は、海上保安庁または漁

合等へ要相談

 

 

 

 

 

汚れや油を大きい粒子のまま洗浄物から剥がそうとしていた従来の洗剤に比べて、強力な洗

浄力を保ちながら界面活性剤量を10%以下にすることができた。

 

自然界の微生物にとって、大きな油の粒子を分解するには多くの時間がかかる。

 

微細化したことで微生物が分解しやすい大きさとなり、分解時間が短縮され、二次汚染の防

止にもなる。国際規格であるOECD化学品テストガイドラインに基づく生分解性試験も実施

している。

 

DOC法と呼ばれる方法によるもので、(一財)日本食品分析センターにおいて実施し、パス

レベルをクリアした環境対応商品である。

 

また、極めて低泡性のため、すすぎ時間の短縮と使用水の節水が見込める。水系洗剤である

ため、舗装や塗装面を傷めることがなく、消防法による備蓄制限もない。エマルジョン化

(乳化)せず消臭効果も高いので、道路や河川での油流出事故対策に適している。

 

エマルジョン化比較実験

水と油を入れたビーカーに、中和剤とBY・FAR Z-Mをそれぞれに入れて攪拌

 

 

 

使用水は、軟水・硬水・海水を問わず使用できる。また、実際の事例としては、大型トラッ

クが接触事故により側道に転落して大破、燃料の軽油とエンジンオイルが一級河川に流出し

た。

 

対策として土嚢で流出を止め、バイ・ファー ゼット エムを数十倍に希釈して、散水車と高

圧洗浄機で洗浄。

 

その後、水道局立会のもと少しずつ土嚢を撤去し洗浄水を観察したが、河川での白濁や油紋

は発生しなかった。

 

高速道路の大型トラックの事故でも、燃料とエンジンオイルが上水道の取水河川に流入。取

水は停止され、オイルフェンスで拡散を防止していた。

 

エンジンオイルが付着したフィルター洗浄

 

 

 

ここで使用した場合も従来の中和剤のような白濁現象はなく、作業終了と同時に取水は再開

れた。