2019.02.28
力強く持続的な経済成長の実現
高速のダブルネットワークで機能強化 |
ストック効果を重視した社会資本整備を戦略的に推進することによって目指すのが3つ目の「力強く持続的な経済成長の実現」である。
2020年の訪日外国人旅行者4,000万人の目標達成に向けた取り組みのほか、インフラシステムの海外展開による有望成長市場の創出、現場を支える人材の確保・育成など複数のテーマを掲げている。
2018年の未来戦略で新東名・新名神の6車線化など既存ストックを活用した機能強化に物流の生産性向上が閣議決定されている。
東名や名神を含めたダブルネットワークによって安定かつ効率的な交通網を確保するものである。
一方で、大都市圏については、効率的なネットワークの強化に10%増の3,699億円を計上している。
三大都市圏の環状道路の整備や連続立体交差事業による渋滞対策を継続していく。
国際競争力の強化へ都市基盤整備 |
課題となっている国際競争力については、都市機能の強化に9%増の108億円。大規模都市プロジェクトや国際ビジネスの拠点となる道路、鉄道といった都市基盤を整備する。
玄関口となる首都圏などの機能強化が1%増の155億円である。
羽田空港では、国際線の発着枠を年間約6万回から約10万回に拡大。必要となる航空保安施設、誘導路、駐機場などの整備を進める。
成田空港は、第3滑走路の建設による機能強化によって30万回から50万回へ増加させる計画だ。
同時に地方空港についても機能を強化していく。
予算額は前年度の同額の457億円。福岡空港と那覇空港では滑走路を増設し、新千歳空港でも国際線駐機場の拡張などによってゲートウェイとしての機能強化を図る。
鉄道関係では、整備新幹線が5%増の792億円、都市部での新線建設によるネットワークの充実が4%の149億円である。単線での新幹線整備など幹線鉄道の効果的、効率的な整備についての調査も進める。
港湾は、国際戦略港湾の機能を強化していく。3%増の874億円を計上した。
地域活性化へ拠点施設へのアクセス道路 |
成長の基盤となる社会資本整備の総合的支援は、2%減したものの8,713億円を確保する。
駅や空港、港湾、工業団地へのアクセス道路など成長基盤の整備を支援する。
地域経済の活性化に貢献する下水汚泥や処理水といった未活用の資源の有効活用のためにPPP/PFIなどの手法を用いる。
汚泥を堆肥化して農業に利用したり、栄養塩を含む処理水をノリ養殖に提供する。
これらが実現すれば下水道の管理者が負担する処理費用は、約半減することになり自治体の負担の軽減につながる。
訪日外国人旅行者増加のための施策は、前年度の2倍の806億円である。
特にストレスフリーで旅行できる環境にする。先端技術を活用した革新的な出入国審査によって時間待ちを短縮する。
観光地や公共交通機関、宿泊施設での快適な受け入れ環境のための整備を支援。増加傾向にあるクルーズ船については、官民連携で拠点機能を強化していく。観光地での多言語対応のほか、観光資源として既存ストックを公開、解放するなど社会資本を活用する。
例えばダムの現場や地下神殿とも呼ばれる巨大地下空間の首都圏外郭放水路などの見学ツアーを想定している。
(2019年2月時点)