2019.02.28
被災地の復旧・復興
東日本大震災と続発した自然災害対策 |
国土交通省の2019年度予算の4つの重点分野のうち1つ目の「被災地の復旧・復興」では、東日本大震災と続発した大規模自然災害がテーマである。
東日本大震災については、2016年度から2020年度までの復興・創生期間での枠組みに基づいて着実に推進する。
大規模自然災害とともに被災地の発展の基盤となるインフラ整備に2,090億円を計上している。
熊本地震や九州北部豪雨等で被災した地域については、災害復旧事業や防災・安全対策交付金などを活用して道路、河川、砂防、港湾、鉄道のほか、被災地の住宅の再建や宅地の復旧を支援していく。
大阪北部地震、2018年7月の豪雨や台風21号、北海道胆振東部地震などの被災地については、早急復旧に加えて、改良復旧をはじめとした再発防止策にも取り組む。
2018年7月の豪雨では、淀川水系桂川で、過去の災害を教訓に治水事業等を実施してきたため被害を大幅に軽減できた。
2013年9月の台風18号によって、流域では堤防を越水する等の大規模な浸水被害が発生。その後の5年間で緊急治水対策として、河道掘削や河川改修等を前倒しで実施してきた。
これにより、2017年の豪雨は、雨量が1.2倍にもなったが、堤防の決壊も回避することができるなどの効果を発揮した。
28%増の社会資本総合整備費 |
被災地の観光振興も支援する。風評被害を払拭するため、地域の発案によるインバウンドの取り組みを支援して観光の魅力を海外へ発信する。
福島県については、震災復興のための国内観光関連事業も対象にしている。
さらに、災害公営住宅の整備や被災地の地籍整備による土地境界線の明確化などによって住宅の再建や復興のまちづくりを加速させる。被災者の暮らしを支えるバスなど公共交通についても、住まいの再建や復興の進捗に応じ柔軟な支援策を継続する。
東日本大震災復興特別会計の内訳を見ると、総額は1%増の4,632億円なのに対して、治山治水は43%減の36億円、道路整備が17%減の1,743億円、港湾空港鉄道などが2%減の297億円と前年度を下回っている。
これはむしろ整備が進んできた結果と見られる。
一方で、社会資本総合整備が28%増の1,225億円、災害復旧などに17%増の1,235億円を計上。公共事業関係費は、合わせて1%増の4,562億円である。
(2019年2月時点)