2023.01.01

コンクリート構造物の補修・改修・補強工「IPH 工法(内圧充填接合補強)」

SG エンジニアリング株式会社

 

 

 

『IPH工法』とは

 

Inside Pressure Hardening の頭文字をとったもので、内圧充填接合補強といい、経年劣

化や地震などにより傷んだコンクリート構造物の「強度回復」「長寿命化」を実現する技術

である。

本工法は、従来の低圧樹脂注入工法とは目的が異なり、コンクリート内部に存在する空気と

注入樹脂を置換し、穿孔の先端から放射状に拡散することにより、末端の微細クラックまで

高密度に樹脂充填を行うことが可能で、構造物の強度回復や耐久性の向上、長寿命化・再劣

化防止対策を目的とする注入工法である。

 

 

 

   特 徴

 

1.空気と注入樹脂の置換

 注入位置を穿孔し、注入器のスリット部から注入開始時に躯体内部に存在する空気を抜き

 取り、注入樹脂を穿孔の先端からリターンさせ、安定的に置換することができる。

 

 

                 

 

 

2.高密度充填

 躯体内部の空気を瞬時に排出することで、負圧状態を生じさせ、毛細管現象も生かされ、

 注入樹脂を高密度・高深度に微細なひび割れ(計測値0.01mm)にまで充填することが

 できる。

 

 

               

 

 

 

3.強度回復・耐久性向上

 高密度充填により部材強度が回復し、耐久性の向上も期待でき、構造物の長寿命化・再劣

 化防止対策につながる。

 

 

4.鉄筋防錆・中性化抑制

 注入により鉄筋沿いに樹脂が充填でき、鉄筋の防錆効果を高める。また、高密度充填によ

 り劣化因子の侵入を防ぎ、経年劣化・中性化の進行や塩害、ASR 等の抑制効果も期待で

 きる。

 

 

5.経済性の向上・環境対策

 本工法の施工により構造物の耐久性の向上が見込まれ、ライフサイクルコストの低減が可

 能である。また、斫り落とさず注入することで解体殻が減少し、施工費や工期の低減も図

 れる。

 使用機材は、騒音・粉塵・振動等を低減した専用工具であり、施工性が向上し、作業者や

 周辺環境にも配慮している。

 

 

 

 

   用 途

 

• コンクリート構造物の補修・補強

• 漏水対策

 

 

   適用構造物

 

土木:橋桁・橋台・橋脚・床版・トンネル・ダム・堤防・擁壁

建築:建築基礎・主要構造部・外壁・地下室・タイル浮き

構造物:各種架台、基礎・マンホール・レンガ構造物 等

 

 

               

 

 

 

 

   施工手順(ひび割れ注入の場合)

 

 

             

 

 使用樹脂:湿潤対応型注入用エポキシ樹脂

 

 

 

 

   技術評価

 

 

• NETIS CG-070007-V(掲載期間2007年~2018年3月)

• 特許 第5074118号/第5941585号

• 土木学会 技術評価認定 第0020号 他、技術登録多数