新規性
・本材料は、セメント系固化材、混和材、界面活性剤(X剤)、発泡材(YS材)で主に構成される。(水中用は、他に発泡促進剤(Z剤)と専用骨材を使用する。)
・本技術は、セメント系固化材のアルカリ刺激で発泡材が反応し発生するガスにより気泡を形成させ体積膨張する技術である。高い膨張倍率を得るため、界面活性剤(X剤)により気泡膜を強化し独立性を高め、混和材によりスラリー粘度を調節することで気泡を安定・保持させている。また、分散性の高い専用の発泡材(YS材)によって、均質な気泡を形成している。
・従来は、製造時にエアを混練するため充填量と同量を製造・打設するが、本材料は、事後発泡により打設後に体積膨張するため、製造・打設量を低減できる。(例:膨張倍率1.87の配合では、必要な充填量の54%の容量のスラリーを製造・打設すればよい。)
・従来は、材料に含まれるエアにより打設・圧送ロスが生じたが、本材料は打設までエアを含まないため、ロスが生じない。
・従来の材料に比べて流動性が高いため、狭小な空洞にも流し込みが可能で充填性が高い。
・体積膨張の時間は1~2時間であるため、早期に充填確認および再充填が可能である。
・体積膨張終了時にも流動性があるため、空洞周囲の地盤・構造物に対して膨張圧がかかりにくい。
期待される効果
・材料の製造・打設量が低減できるため、工期短縮と経済性の向上が期待できる。
・製造設備の設置面積を小さくできる。
・高い流動性と体積膨張により狭隘な空隙でも高い充填性が得られる。
・セメント系材料であるため、有機系軽量材料と比して紫外線・熱・有機溶剤・油に対する耐性が高い。
・軽量性によって荷重・土圧を減らすことができる。
適用条件
① 自然条件
・特になし。
② 現場条件
・1層の打設は、上下の密度・強度等の品質安定のために体積膨張後で高さ1m以下とする。
③ 技術提供可能地域
・技術提供地域については制限なし。
④ 関係法令等
・特になし。
使用する機械・工具