新規性
・従来技術では、鋼管杭を圧入する際、油圧ハンマやディーゼルハンマを用いた打撃工法、アースオーガを用いた中堀工法、バイブロハンマを用いた振動工法により、鋼管矢板を打ち込んでいましたが、振動、騒音が大きく、周辺環境に多大な影響を及ぼしたり、機械転倒等安全性にも重大な問題があった。本技術は軽量コンパクトな油圧式杭圧入引抜機で鋼管矢板を圧入する為、低振動、低騒音で施工が可能となり、既設杭を2本のクランプでつかみ、既設杭上を自走(前進及び後退)する為、吊り移動をすることなく安全な施工が可能。
・圧入機を搬入、搬出する時に使用するクレーンの小型化が可能。また、運搬用トラックの小型化も可能。
・圧入機本体のリーダーマストとチャック部分が鋼管矢板をつかんだまま、前後に5度ずつ傾く傾動装置により、鋼管矢板の損傷を軽減し高精度の施工ができる。また、デジタル表示器を装備することにより、圧入力・引抜力・圧入機本体の傾きをデジタル表示器で表示可能にした。また、圧入管理装置を接続することにより、施工中の杭の傾き、圧入引抜力、圧入深度を記録することが可能。
期待される効果
・最大圧入力を抑え、クランプを2本にすることで、機械本体が軽量でコンパクトになっているため、搬出入時に現場状況に応じた対応が可能。また、施工時の機械高さが3.5m以下なので、上空制限のある現場でも施工可能。
・安全性と施工性が良くなり、鉛直精度が向上する。また、低振動、低騒音等、周辺環境の影響が少ないというメリットがある。
・デジタル表示器で圧入力・引抜力・圧入機本体の傾きを表示することにより、圧入機本体の施工状態を把握することが容易になる。傾動装置と組み合わせることにより、圧入機本体の傾斜をデジタル表示器で確認しながら修正することが可能になったため、高精度且つスムーズに施工を行うことを可能とした。
・圧入管理装置を接続することにより、施工中の杭の傾き、圧入引抜力、圧入深度を記録することができ、効率的な施工管理が可能。
・環境対応型エンジンを搭載することにより、オフロード法(排ガス規制3次基準)に適合している。
・生分解性作動油、生分解性グリスを採用し、環境負荷を低減している。
適用条件
① 自然条件
・10分間の平均風速が10m以下。
② 現場条件
・オーガ併用の場合は、オーガ組立スペースと、オーガ吊り用クレーンのスペースが必要。また、低床トレーラーの搬出入が可能であること。
・3.5m以下の低空頭は施工不可。
・初期圧入には反力架台を使用するか、既設の鋼管矢板が必要。
③ 技術提供可能地域
・制限なし。
④ 関係法令等
・労働安全衛生法、騒音規正法、振動規制法。
使用する機械・工具