新規性
切土法面では通常、高さ5m~10m毎に小段を設けるが、建設当時から小段がない法面や、災害等により小段が消失した法面が多数見受けられる。このような法面は、維持管理機能が損なわれ、日常点検や近接目視点検を行うことが困難で、詳細な点検を行う場合には仮設足場を設置する必要がある。ヒロクナール工法は、こうした法面に対して、維持点検のための小段造成と、法面安定のための抑止工を両立させる工法である。
施工手順
①準備工
②足場仮設
③フラットビーム組立・吹付工
④グラウンドアンカー工
⑤高強度軽量歩行板設置工
⑥転落防止手摺り設置工
⑦足場解体
⑧後片付け
期待される効果
・維持点検用小段があることで、日常点検や近接目視点検が容易となり、法面崩壊等の危険を事前
に察知できる。
・手摺りを設置することで小段からの墜落や転落を防止して、法面の点検やメンテナンスを安全に
実施できる。
・小段造成(復旧)と同時に抑止工による法面の補強・補修ができる。
・地山補強土工や法枠工を併用して、法面の中抜け崩壊を防止できる。
・吹付施工のため、重機械での施工が困難な高所や長距離でも施工できる。
適用条件
①自然条件
・雨天時の吹付作業は不可(吹付関係以外は施工可能)
②現場条件および適用範囲
・プラントヤード(乾式吹付採用時): 50m2程度
(湿式吹付採用時):150m2程度
・プラントから現場までの距離(乾式吹付採用時):水平距離300m、 高さ100m以内
(湿式吹付採用時):水平距離100m、 高さ 45m以内
・適用可能な範囲
小段が無い切土法面(盛土法面は適用外、オーバーハングしていない法面勾配90°までの法面)
・特に効果の高い適用範囲
災害等により小段が消失した切土法面
防災点検において、要対策や経過観察が必要となっている法面
今後、維持管理が必要となる小段の無い長大法面
・適用できない範囲
地すべりや大規模な崩壊が予想される法面
③技術提供可能地域
・全国
④関係法令等
・特に無し