新規性
・従来の鋼製シースに代えて、高密度ポリエチレン製のシースとした。
・従来の鋼製シースよりも大きなピッチのスパイラルリブを採用した。
・ポリエチレンシース内に冷気送風しながら緊張する方法を提案した。
期待される効果
・ポリエチレンは錆びないため、外部からの腐食成分を遮断してPC鋼材の耐久性を改善できる。
・大きいピッチのリブにより、緊張時に偏向圧の局部集中が生じず、すり切れて破れない。
・大きな側圧が発生する偏向部の接触は、PC鋼材とポリエチレンであり、疲労耐力も改善する。
・ポリエチレンシースの摩擦係数は鋼製シースより小さいので、有効プレストレスを改善できる。
「本製品の摩擦係数はμ=0.14、λ=0.001を推奨」、ただし当面は「PEシースを用いたPC橋の設計施工指針(案)」に準じ、設計では「鋼製シースと同じ値のμ=0.30、λ=0.004」を用いる。」
・ポリエチレンシースは鋼製シースのような施工時の溶接火花による穴あきが生じない。
・定尺を5mとして鋼製シースの定尺4mより長くしたので、接続作業を低減できる。
・50℃以下の緊張は、曲げ半径100Dでも緊張後の『残留壁厚≧1.5mm』を満足している。
・50℃より高温の緊張は、ポリエチレンが軟化して擦り切れないように冷気送風しながら緊張すれば、躯体温度が50℃以下になるまで緊張作業を待つ必要がない。
適用条件
① 自然条件
・台風・強風・集中豪雨を除き、従来技術と同様の施工が可能である。
② 現場条件
・従来の鋼製シ-スを使用する現場条件なら、同等に対処可能。
・ケーブル長さが100mの場合、延長100mのスペースが必要である。
③ 技術提供可能地域
・日本全国技術提供可能。
④ 関係法令等
・特になし。