新規性
【PCの床版厚低減効果】
・中小床版支間(4m程度以下)の床版にプレキャストPC床版を適用する際、PCの床版厚低減効果により従来技術より床版厚を薄く、間詰め幅を狭くすることが可能となった。床版支間2.6mの連続版の場合、ループ継手(厚さ240mm、幅330mm)に対して、合理化継手(最小厚さ170mm、幅280mm)となる。
【床版厚を薄くできる理由】
・合理化継手は、継手鉄筋先端にネジ加工しナットを固定した直線状の鉄筋を使用し、間詰め部底板型枠を使用することで、ループ継手の鉄筋曲げ半径の制約やループ鉄筋とアゴ部の干渉がなくなり、床版厚を170mmまで薄くできるようになった。また、鉄筋の付着力と先端ナットの支圧力が協働することで、定着力を確保し継手長を短縮した。なお、実物大試験体により、耐荷力・耐疲労性能を検証している。
期待される効果
【床版重量の低減】
・床版厚を薄くすることで、床版重量の低減が可能となり、死荷重増による鋼桁や下部工の耐力不足を解消または、最小限の補強で対応可能となる。
【現場施工量の削減】
・間詰め幅を狭くすることで、場所打ちコンクリートの施工量が減少する。
【架設時・間詰め部配筋時の省力化】
・ループ継手では、架設済み床版のループ鉄筋と架設床版のアゴ部が干渉しないように吊り下し、設置高さ付近で引き寄せながら所定の位置に設置後、間詰め鉄筋をループ内に後挿入する。合理化継手では、アゴ部を省略したため鉛直に所定位置に据え付けることができ、架設前に間詰め鉄筋を継手鉄筋の根元に仮置きしておくことで、架設後に間詰め鉄筋を結束することが可能となる。
適用条件
① 自然条件
・特になし。ただし、標準的な環境下で施工する必要がある。
② 現場条件
・施工機械:旧床版の撤去、新床版の架設に用いるクレーンが必要である。
・施工足場:旧床版の撤去、新床版の架設時に用いる足場が必要である。
・その他:床版取替時に一時的な交通規制が必要である。
・施工時期:現場工期の短縮を目的とする場合は、台風・長雨・降雪等の集中する時期を避ける必要がある。
③ 技術提供可能地域
・制限なし。
④ 関係法令等
・道路交通法
・車両制限令
使用する機械・工具