新規性
コンクリート強度50N/mm2と非被覆タイプのPC鋼より線によるPC床板を、高強度コンクリート(60N/mm2、80N/mm2)と内部充てん型エポキシ樹脂被覆PC鋼より線(ECFストランド)を使用したプレキャストPC床板に変えた。また、PC床板だけでなく、工法選定の自由度が大きくなったことで、桟橋上部工の主梁や横梁のプレキャスト部材にも適用できるため、構造物全体の高耐久化を図ることができる。
期待される効果
・高強度コンクリートと高強度PC鋼より線を組み合わせることで部材断面(床板厚)を低減できるため、上部工重量(上部工死荷重反力)が軽減できる。
・従来技術におけるコンクリートの水セメント比(36.0%)に比べ新技術は29.0%と7.0%低減できるため、コンクリートの緻密性が向上する。これにより、塩化物イオン等の腐食因子の浸入を抑制できる。
・PC鋼材の表面被覆だけでなく各素線間の間隙部に至るまで防食性、遮蔽性に優れたエポキシ樹脂が充填されたECFストランドを使用することで、塩化物イオンの侵入にともなう鋼材腐食が防止できる。
・耐久性の向上により、将来的な劣化に対する補修費や架け替えによる更新費が削減できるため、ランニングコストを低減できる。
適用条件
①自然条件
・通常の施工同様に、強風・強雨等法令で定める作業中止基準を超えた場合は施工を行なわない。
②現場条件
・プレキャスト部材の運搬車両や架設用揚重機等の通行および架設方法に応じた施工ヤードが必要となる。
・クレーンでの架設が可能であること。
・プレキャスト部材を海上輸送する場合は、船舶の係留場所が必要となる。
③技術提供可能地域
・陸上または海上輸送での部材運搬が可能な地域。
④関係法令等
・労働安全衛生法
・道路交通法
・海上交通法令