新規性
・従来のおやご(単管)、ころばし(単管)、クランプ類を専用部材にしたことで資材の総重量(従来技術の総重量:42.06t/1402m2、新技術の総重量:35.05t/1402m2)が減り、かつ作業が簡単(クランプの締め付け作業がなくなり)になった。
・従来では作業床に隙間や段差ができていたが、新技術では作業床に隙間がなく、フラットであるため、ネットが不要で作業性、施工性、安全性が向上した。
・従来と違い、作業床から身を乗り出す困難な作業がなく、全て作業床上もしくは高所作業車上で作業できる。
・高強度の専用部材を使っているため、最大で吊りチェーンのピッチを約2mでとることができる。(従来は900mm程度)
・従来、高所作業車やオーバーハング車、台船を使っていた現場でも、「送り出し工法」によりそれらを使わずに施工できる。
期待される効果
・専用に開発した高強度の専用ころばしを80cmピッチではめ込む形式であるので、作業進捗も早く交通規制も短時間で済む。また、作業床に隙間がないため、クランプ等の小物資材の落下災害を防止できる。
・架設を完了すると隙間のないパネル状になり、基本的に裏面のネットが不要で従来足場(パイプ吊足場)に比べ出来形に優れる。また、架設前の部材は単体であるので足場架設完了後でも容易に開口部を設ける等、フレキシブルな対応が可能である。
・橋軸方向のチェーンピッチが最大で約2mまで可能なので吊りチェーン、おやご、ころばしの数が減り、塗装のタッチアップやチェーンの盛り替え作業の減少が期待できる。(積載荷重により異なる)
・従来足場に比べ吊りチェーンが少なく、作業床がフラットであり歩行性が良く、足場上での工事施工がスムーズに行える。
・河川上等の橋梁、地上高の高い橋梁等では従来台船や交通規制をかけ、オーバーハング車を使用し作業するが、「送り出し工法」により施工性向上が期待できる。
・新技術ではおやごところばしの緊結にクランプを使用しないため(従来技術のクランプ使用数:21コ/28.8m2)、締め付け時等に出る騒音が軽減される。
・作業床下におやごの厚さ(70mm)しかとらないため(従来は作業床下におやご、ころばし、クランプによってできる隙間、チェーンの厚みで130mm程度)、道路から作業床までの高さを従来より50~60mm高くとれる。
適用条件
① 自然条件
・強風(10分間の平均風速が毎秒10m以上の風)、大雨(一回の降雨量が50mm以上の降雨)、大雪(一回の降雪量が25cm以上の降雪)、中震(震度4)以下の地震等の影響がなく、吊り棚足場が安全に使用できる環境であること。(従来と同等)
② 現場条件
・吊りチェーンの取り付け元を設置することが可能な桁であること。
・取り付け元のピッチが最大4mまでの範囲でとれること。
・架設面積1000m2分の資材置き場として約15~20m2を要す。
③ 技術提供可能地域
・制限なし。
④ 関係法令等
・平成23年度版 「労働安全衛生規則」第二款足場の組立て等における危険の防止p1190-1191、第五款つり足場p1198-1201
使用する機械・工具