新規性
・従来は事前調査で硬い中間層(N値20以上の砂質土)があった場合は、アースオーガによる先行削孔で硬い部分をほぐした後で、振動式のバイブロハンマーを使用するSCP工法により対応していた。
・本技術は、硬い中間層をほぐすために、ケーシングパイプ先端に貫入能力を向上させた特殊先端刃を装備した。特殊先端刃は地盤掘削翼、地盤掘削爪、掘削ブロックにより構成され、ケーシングパイプ直下の原地盤を、地盤掘削刃によりほぐした後、地盤掘削翼によりケーシング外周部から中心に向かって掘削しながら外周部へ移送し、掘削ブロックにより削孔側壁へ押し付けていく。
地盤掘削翼によりケーシング外周部直下まで確実に掘削することで、硬土土質地盤へのケーシングパイプの貫入能力を向上させた。
・回転貫入装置により特殊先端刃を装備したケーシングパイプを貫入させることで、低振動低騒音でSCPを施工することができる。
期待される効果
・従来は硬い中間層(N値20以上の砂質土)があった場合は、先行削孔施工機と振動式SCP施工機が必要であった。新技術では低振動低騒音式のSCP施工機一台で施工が可能であるため、工費の削減と工期の短縮が図れる。
・施工機が一台となるため、複数台での作業がなくなり安全性が向上する。
・低振動低騒音で施工するため、市街地や既設構造物近傍での施工が可能となった。
・従来工法では、振動基準値以下の振動レベルで施工するためには、施工機械(振動源)から60mの離隔距離が必要であるが、新技術では施工機械直近でも振動基準値以下の振動レベルで施工可能である。
・従来工法では、騒音基準値以下の騒音レベルで施工するためには、施工機械(音源)から約25mの離隔距離が必要であるが、新技術では施工機械直近でも騒音基準値以下の騒音レベルで施工可能である。
※騒音・振動レベル距離減衰の振動式SCP工法およびSD工法の近似線は、(社)地盤工学会「打ち戻し施工によるサンドコンパクションパイル工法設計・施工マニュアル」P117より引用。
適用条件
① 自然条件
作業中止の自然条件は以下のとおりである。
・風速:10分間の平均風速が10m/s以上
・降雨:1回の降雨量が50mm以上
・降雪:1回の降雪量が25cm以上
・地震:震度4(中震)以上
② 現場条件
・組立解体ヤード面積は1500㎡(30m×50m)必要
・施工機の占有面積は96㎡(16m×6m)必要
・施工機の高さは36m(打設長20mの場合)必要
・施工基盤の地耐圧は33kN/㎡以上必要(敷鉄板敷設時)
③ 技術提供可能地域
・技術提供地域については制限なし
④ 関係法令等
・騒音規制法
・振動規制法