新規性
・従来技術では、事前調査で軟弱地盤の中に硬い部分が確認された場合には、オーガー機を使用して硬い部分をほぐした後に、サンドコンパクションパイル施工機を使用して施工を行っていた。
本技術では、軟弱地盤の中の硬い部分をほぐして貫入することを目的として、貫入部の先端に取り付けたエアと水の両方を混合して噴射する装置(エジェクター)を装備することで、軟弱地盤の中の硬い部分に対して貫入が可能となった。
・従来技術では、支持層へ到達したことを確認する方法として、事前の土質調査(柱状図)から想定される支持層までの深度を把握していた。その後、事前の土質調査位置の近くで貫入試験を実施し、深度と貫入時間の軌跡図を取得した。この得られた「深度と貫入時間の軌跡図」および「事前の柱状図」から、支持層へ到達してからの貫入速度や経過時間を管理基準値として設定した。設定した値を基に、管理画面上に表示される「深度と貫入時間の軌跡」をオペレーターが目視で読み取り、支持層への到達を判断していた。
本技術では、管理装置の画面上に「打設深度に到達しました」という文字情報を表示し、オペレーターに支持層へ到達したことを伝える。
期待される効果
・従来技術では、軟弱地盤の中にある硬い部分をほぐすために、アースオーガ施工機が必要であった。新技術ではサンドコンパクションパイル施行機1台で施工ができ、工費の削減、工期の短縮が図れる。
・従来技術では、サンドコンパクションパイル施工機と、軟弱地盤の中にある硬い部分をほぐすために使用するアースオーガー施工機と合わせて2台が必要であった。新技術ではサンドコンパクションパイル施工機1台で施工ができ、複数台での作業がなくなり、安全性が向上する。
・傾斜地盤や複雑な土層構成の地盤に対しても、支持層へ到達したことを文字情報で表示することで、オペレーターの負担が減り、確実な施工管理ができる。
適用条件
① 自然条件
・10分間の平均風速が10m/s以上の場合、作業を中止する。
・瞬間風速30m/s以上の場合、作業を中止する。
・降雨量30mm/h以上の場合、作業を中止する。
・降雪量5cm以上の場合(地区による)、作業を中止する。
ただし、多雪地帯などの場合には上記の降雪量に関しては別途、基準を設定する。
② 現場条件
・運搬車両(50~60tトレーラー、10tトラック)の搬入路が必要。
・18m×50mの組み立てヤードが必要(15mの打設長を施工するために使用する100t級の施工機の場合)
・材料(砂・砕石・再生資材等)置き場が必要。
③ 技術提供可能地域
・制限なし。
④ 関係法令等
・特になし。
使用する機械・工具
- 超小型クローラタイプ機
- ボーリングマシーンタイプ機
- ロータリーパーカッションドリルタイプ機
- 流動化砂製造プラント
- バックホウ
- 圧送ポンプ
- 中空管