新規性
・従来の吹付のり枠工の型枠を使用せず、簡易的な組立枠を使用するため、鉄筋が簡単に適正な位置に保持することができ、地山ならし作業などを必要とせず、地山の凹凸に密着したのり枠が形成できる。
・のり枠の吹付モルタルにはNAF6(アラミド繊維)を混入させることにより、枠の成形性がよく、型枠なしでも規格とおりの断面形状を確保し、安定した品質ののり枠をつくれる。
・のり枠断面形状が欠円状であるため、表面流下水の排水性に優れ、枠内に滞水しにくいため浸食の誘因や植生の生育を阻害することが避けられる。また、矩形断面のり枠と比較し、丸みを帯びたのり枠形状であるためコンクリート面が目立たず、植物の生育により早く隠れやすくなることから景観的にも優れている。
期待される効果
・型枠なしでも規格とおりの断面形状の枠がつくれることから地山表層崩壊の小崩壊に対して、一定の抑止力が期待できる。
・地山補強の鉄筋挿入工との併用も可能である。
・吹付のり枠工に比べ、簡易的な使用材料と施工方法により大幅なコスト縮減が図れる。
・施工完了および施工後の景観に優れ、また、枠内に植栽棚を設置することにより花木などの植栽併用による修景緑化も可能である。
・地盤沈下の恐れのない盛土のり面に適用されているプレキャストのり枠の代替も可能である。
・標準以外の枠スパンの対応も容易にできる。
適用条件
① 自然条件
・地質は土砂から中硬岩までに適用できる。
② 現場条件
・標準としてのり面勾配1:0.6より緩勾配の自然斜面および切土・盛土の造成のり面に適用する。なお、それより急勾配のり面の場合には、勾配緩和鋼を使用するサーフクリートを適用する。
・機械プラントヤードから施工のり面までの距離が直高40m以上もしくは水平距離100m以上を超える場合は、長距離・高揚程の吹付システム(セパレートショット工法)を併用する。
③ 技術提供可能地域
・全国一円。
④ 関係法令等
・「特定外来生物による生態系等に係る被害防止に関する法律」
使用する機械・工具