新規性
1)従来技術では、作業船の操船者が船舶レーダーにより探知された物標の情報や目視をもとに、一般航行船舶の動静監視を行っていた。新技術では、ARPA情報、AIS情報および作業船に搭載したGPS情報をもとに、作業船の操船者が一般航行船舶および作業船の位置情報をPCモニターにて一元監視出来るようにした。
2)従来技術では、船舶レーダーを作業船ごとに設置し、各作業船の操船者が個々に一般航行船舶の動静監視を行っていた。新技術では、一般航行船舶や作業船の位置をPCモニターにて同一画面表示することで、運航管理者や各作業船の操船者間で情報共有が出来るようにした。
3)従来技術では、自船を中心とした円形の警報エリアを設定し、一般航行船舶の動静監視を行っていた。新技術では、警報エリアを多種多様な形、かつ地図上どこでも設定することができるようにした。さらにARPA情報、AIS情報およびGPS情報から一般航行船舶および作業船の将来位置予測を表示できるようにした。
4)従来技術における船舶レーダーの画面は、一般航行船舶や自船を含む作業船の位置等が把握しづらかった。新技術では、一般航行船舶や作業船の位置を海図上に表示し、PCモニターにおいて、システム画面一つで把握できるようにした。さらに船舶シンボルの色を区別できるようにした。
5)従来技術では、船舶レーダーを作業船ごとに海上で設置していた。新技術では、船舶レーダー1台を現場事務所等に設置し、作業船にはPC、GPSおよび通信機器といった簡易な設備を設置することで、設置・撤去作業を容易にした。
期待される効果
1)位置情報の一元監視により、作業船の操船者は、一般航行船舶や作業船の位置確認の繁雑さが無くなるため、従来技術より更なる安全確保が図れる。
2)同一画面表示にしたことにより、現況認識や安全指示等の伝達事項の共有化が可能となるため、従来技術より更なる安全確保が図れる。
3)警報エリアの自由設定や将来位置予測の表示によって、衝突防止行動が早い段階でとれるため、従来技術より更なる安全確保が図れる。
4)誰でも対象物の確認や現況認識がしやすい表示画面にすることで、視認性が上がり、安全性の向上が図れる。
5)船舶レーダーや作業船用搭載機器の設置・撤去作業が容易となったため、施工性の向上が図れる。
適用条件
① 自然条件
・特になし
② 現場条件
・船舶レーダー設置場所から船舶動静監視に必要な範囲を一望できること
・船舶レーダーおよびデータ処理機を陸上に設置するため、ユニットハウス1棟(4坪)以上があること
・電源100Vがあること
・インターネット通信が可能であること
③ 技術提供可能地域
・技術提供可能地域については制限なし
④ 関係法令等
・本システムの船舶レーダーは、無線標定移動局として無線局申請をしている。
・本システムの操作にあたり、第二級陸上特殊無線技士以上の免許を持つ無線従事者がいること
【関連法令】
1)電波法(最終改正 平成27年5月22日):第四条(無線局の開設)、第四十条(無線従事者の資格)
2)電波法施行規則(最終改正 平成28年7月13日):第三条(業務の分類及び定義)、第四条(無線局の種別及び定義)
3)電波法施行令(最終改正 平成28年3月30日):第二条(政令で定める海上特殊無線技士等)、第三条(操作及び監督の範囲)