新規性
この工法の新規性は、
1. 菌根イソギクという植物を植栽することにより、生物的に雑草を抑制すること
2. 生分解性の資材を使用し、産業廃棄物を一切出さないということ
の2点である。
菌根イソギクを生分解性短期防草資材と組み合わせることにより、産業廃棄物を発生させることなく、防草と同時に修景緑化も速やかに達成する防草緑化工法である。
菌根イソギクとは、日本固有の海浜植物であるイソギクに菌根菌という共生菌を共生させることで、より強健にした緑化用植物であり、乾燥、高温、日照不足、貧栄養などの厳しい悪条件でも適応できるようになった。また、この工法は、菌根イソギクの植栽密度を調節することにより、雑草抑制効果の発揮時期、施工コストをトレードオフし、予算・用途に合わせた形で施工を行うことができる。
一方、従来技術である防草マットによる防草は、防草のみに効果を発揮し、修景緑化は行わず、また自然分解することがない化学素材で製造されているため、耐用年数経過後、産業廃棄物として処分される必要がある。
期待される効果
1.菌根イソギクの効果
2つの働きにより防草効果を発揮している。
① 全面被覆することにより、日光の遮断をする。
② 根から分泌する生長阻害物質(アレロパシー物質)によって雑草の生育を抑制する。
菌根イソギクは、例えば平米10ポット植栽で半年程度で全面被覆に至る。また地表面全体を被覆するまでの期間は、生分解性短期防草資材による防草効果で雑草を抑制する。この組み合わせにより初期から雑草の抑制を可能とする。
また、菌根イソギクが活着して以降は、根よりアレロパシー物質という生長阻害物質を分泌し、他の雑草の生育を阻害する。この効果は菌根イソギクが枯れない限り持続しつづける。この効果により、雑草を抑えたいエリア全体を隙間なくカバーして防草効果を発揮できる。
2.生分解性短期防草資材の効果
植物由来の成分により製造された生分解性短期防草資材を使用することにより、一定の期間が経つとに土に還っていく。ゆえに最終的には菌根イソギクが群生する緑地帯を形成することが可能になる。最後は微生物分解され、産業廃棄物として処分される必要もない。
適用条件
①自然条件
365日施工可能
自社試験より、真夏猛暑日の施工でも問題ないことを確認済み。
また日平均気温-1℃、最低気温-15℃、積雪量4mあまりの寒冷地でも生育可能であることを確認済み。
ただし、暴風時、生分解性短期防草資材の敷設不可。
植栽直後の降霜は根が浮いてしまい、菌根イソギク苗を痛める可能性あり。
②現場条件
深さ20㎝程度以上のエッジングが設けられている植栽帯・植栽升などの、緑化範囲が区切られている場所に向く。
③技術提供可能地域
全国にて施工可能
技術指導担当が出向いて、施工指導を行うことが可能。
④関係法令等
特になし