新規性
一般的な電気防食工法(面状陽極、線状陽極)は構造物の表面に陽極を設置するため、仮設足場や占用が必要になる。現場の条件によっては、足場などの設置が困難な場合が考えられる。チタンロッド内部挿入陽極工法は構造物の内部に陽極を挿入するため、施工面が限定されず、あらゆる方向から陽極を挿入・設置して電気防食を実施できる。
期待される効果
1.仮設足場や占用の困難な箇所の防食も現場条件に応じて施工が可能である。
2.凍結防止剤による橋梁桁端部の劣化対策等、部分的な防食にも適している。
3.陽極材の設置には、特殊な工具を用いずに施工が可能である。
4.コンクリート内部から防食するため、通電の障害となる構造物の塗膜の除去が不要である。
5.コンクリート内部から防食電流を供給するため、鉄筋のかぶり厚が薄い場合でも電流集中や陽極との短絡が発生しにくく、かぶり厚に影響されにくい電気防食工法である。
6.陽極ロッド頭部に内蔵されている抵抗体により、電流が流れやすい湿潤部においても電流集中を軽減できるため、安定した電流分布が得られる。
適用条件
① 自然条件および現場条件
・飛沫帯、大気中の鉄筋コンクリート構造物に適用可能
・既塗装面にも適用可能
② 適用可能な範囲
・大気中部の鉄筋コンクリート全般
・将来的に塩害が予想される環境下の鉄筋コンクリート構造物の予防保全としても適用可能
・特に効果の高い適用範囲:施工面が制限される箇所、部分的な防食
・適用できない範囲:水中部(条件により適用可)
③ 技術提供可能地域
・制限なし
④ 関係法令等
・特になし