新規性
・施工装置
従来工法は、中空管の貫入、引抜きにバイブロハンマーを用いるが、本工法はオーガマシンを使用する。たま、管内材料の排出には中空管に内蔵した独立駆動するインナースクリューとその先端から噴射する間欠エアを用いているため、超低振動、低騒音で締固め砂杭を造成できる。
・施工方法
従来工法は、中空管を一旦規定長引抜き、地盤中に小径の砂杭を造成後、再度中空管を打戻すいわゆる打戻し方式で締固め砂杭を造成する。一方本工法は、中空管を単位長引抜く際、内蔵したインナースクリューと間欠エアの噴射で管内材料を排出、引抜き後インナースクリューのみ駆動させ、そのトルクで排出された材料を締固めるという施工方法である。
・出来形管理
従来工法は、小径砂杭造成時の材料使用量で締固め砂杭の出来形管理を行う。一方本工法は、管内材料をインナースクリューで強制排出するため単位長当たりの材料使用量をリアルタイムで管理できる。また管内材料の計測は、従来工法がワイヤーを介した重錘を用いるのに対して、本工法はレーザーレーダーを用いることから、連続的でしかも精度が良い。
・締固め砂杭の強度管理
従来工法は、砂杭の拡径、締固めを中空管の打戻しで行うため、締まり具合の確認が難しいが、本工法はインナースクリューで砂杭の拡径、締固めを行うため、そのトルクで締まり具合を管理できる。
期待される効果
・超低振動、低騒音であることから市街地等での地盤改良工事が可能になる。(従来工法に比べ騒音レベル20~25dB低減、振動レベル35~45dB低減)
・インナースクリューによる砂杭造成と締固め程度のリアルタイム管理で品質の確保と向上が期待できる。
・レーザーレーダーを用いた施工管理装置の使用で、施工精度の向上が期待できる。
・最大造成杭径は砂質においてφ750mm、粘性土においてφ800mm程度で、従来(φ700mm)より数量低減が期待できる。
適用条件
① 自然条件
作業中止に至る自然条件は以下のとおりである。
・風速:10分間の平均風速が15m/s以上
・雨量:1回当たりの降水量が50mm以上
・降雪:1回当たりの降雪量が25cm以上
・視程:100m以下
② 現場条件
・最低占有エリア:組立て・解体時には1500m2(30m×50m程度)、施工時には旋回半径として20m以上確保できる施工エリア
・施工基盤面の地耐力:表層地盤の最低地耐力45kN/m2以上(敷鉄板敷設時)
・高度:30m以上
③ 技術提供可能地域
・技術提供地域については制限なし
④ 関係法令等
・道路法、道路交通法、港湾法、建設基準法、消防法、環境基本法、騒音規制法、振動規制法、建設業法、労働基準法、労働安全衛生法、資源の有効な利用の促進に関する法律
使用する機械・工具
- STEP施工機
- 空気圧縮機
- ケーシング
- トラクタショベル
- 発動発電機