新規性
植物種子の活力検定法として、一般的に、発芽試験による発芽率が用いられているが、木本植物種子は休眠などの性質を持つため、発芽に至るまで最低でも1ケ月、長い場合は数年かかるものも存在する。このため、緑化工事施工時に事前に木本植物種子の活力調査は困難であった。早期発芽力検定法は、1週間前後という短期間で調査可能であること、また検査結果は発芽試験と相関が高いことから、緑化工事における種子配合設計等において、より精度の高い播種工が可能となる。
・検定手順
手順1 置床処理(種皮除去、種皮の薄層化、種子組織の切断など)
手順2 発芽促進処理(植物ホルモンや発芽促進物質の添加、酸素置換など)
手順3 置床(1週間前後)
手順4 調査観察
期待される効果
1.緑化用種子の発芽率を1週間前後の短期間で検定できる(木本種子の場合、従来の発芽試験は数ヵ月、長くて数年かかる)。
2.従来法の発芽試験(発芽率)との相関が高く、短期間で発芽試験と同等の結果を得ることができる。
3.施工事前に短期間で品質検定できるので、より精度の高い播種工が実現できる。
4.地元や地域で採取された種子や、国内産在来種子を用いた自然回復緑化における品質検定に最適である。
5.対応する木本・草本植物種子が約230種と多く、緑化工事等に幅広く適用できる。
6.種子の品質検定を受託しており、種子の品質を証明できる(品質証明書発行)。
適用条件
①自然条件および適用範囲
・適用可能な範囲
木本・草本植物種子:約230種
・特に効果の高い適用範囲
休眠状態により通常の発芽率試験が適応できない種子等
・適用できない範囲
早期発芽力検定法が確立されていない種子に関しては参考値を提供する場合がある
②現場条件
・室内試験
・一定温度で実施
③技術提供可能地域
・技術提供地域については制限無し
④関係法令等
・特になし