新規性
1:0.8より急勾配なのり面の緑化では生育基盤材の流出、保水性の低下により植被率の低い景観となりやすく、さらに1:0.5より急勾配なのり面では緑化が困難であるため、緑化工以外ののり面保護工(コンクリート・モルタル吹付工、法枠工)で対応していたが、眺望に威圧感があり、かつ、景観に調和できないままであった。
ユルクナール緑化工法は1:0.8より急勾配なのり面の緑化を可能とする緑化基礎工法である。傾斜緩和部材「ユルクナール」をのり面に設置することにより、1:0.8より緩勾配化することができ、安定した生育基盤が造成できる。
期待される効果
1.勾配が緩和されるため、1:0.8より急な勾配でも安定した植物の生育が図れる。
2.ユルクナールによって植生基盤の侵食防止や流亡が抑えられるため、より永続性の高い緑化工が可能である。
3.ユルクナールをあらかじめ敷設された菱形金網に結束するだけであり、設置が容易である。
4.吹付のり枠のピッチの変更にも対応可能である。
5.小規模な施工面積でも適用可能である。
適用条件
① 自然条件および現場条件
・日平均気温が10~25℃
・土質は、硬岩・軟岩・礫質土・シルト・粘性土・有機質土及びモルタル・コンクリートに対応可能
・資材置き場として、のり面積1,000m2当たり50m2程度必要
・資機材運搬経路の確保
② 適用可能な範囲
・対象のり面勾配は、1:0.3~0.8
・直高80m以下ののり面(直高80m以上ののり面はハイグリーンショット工法を併用)
・特に効果の高い適応範囲:従来技術で緑化が困難な岩やモルタル・コンクリートの急勾配のり面
・適応できない範囲:のり面勾配が、1:0.3より急なのり面
③ 技術提供可能地域
・技術提供地域については制限なし
④ 関係法令等
・特になし