新規性
・ショットピーニングは、疲労耐久性向上対策として航空機業界等で古くから活用され実績もある工法だが、噴射材(ショット)の飛散防止対策が大掛かりとなることやショットの回収が困難なことから、工場内での施工に留まり、既設鋼橋への採用は見送られていた。
・本技術の特徴は、鋼橋ブラスト時において多数実績のある「循環式ブラスト工法」の機械設備をベースとすることで、この工法の特徴である、循環再利用するシステムにより、ショットの回収を可能とした。またブラスト時の防護設備がショットの飛散防止対策となる。そしてブラスト用研削材をショットに替える事で、既設鋼橋でのショットピーニングを可能としたことである。ブラストとピーニングにより鋼橋の長寿命化に貢献する、まさにハイブリッドな工法である。
・また、ショットピーニングによる効果を岐阜大学との共同研究で実証し、疲労強度が2等級向上することを確認している。
期待される効果
・既設鋼橋における塗装塗替え時のブラスト設備や足場、防護設備を有効活用し、低コスト(ブラスト費用に15%程度加算)で効率的に疲労強度の向上が可能となる。
・グラインダー仕上げなどの処理方法では、作業効率が悪く、使用器具形状などから、狭隘な箇所等では施工が困難であったが、本技術はショットを圧縮空気で噴射する工法のため、広範囲の作業が容易であり作業効率が向上するうえ、狭隘箇所でも施工が可能となる。
・施工者の技量によって品質が左右されることなく、噴射時間や圧力管理による施工管理やカバレージによる出来形管理により品質を担保することが可能となる。
・溶接時の熱影響部などき裂が進展しやすい部分にも圧縮残留応力を付与することができ、広範囲での予防保全が可能となる。
・新設橋梁の現地溶接部において、循環式ブラスト工法との組合せにより、腐食対策と疲労対策が同時に可能となる。
適用条件
① 自然条件
・特になし。
② 現場条件
・循環式エコクリーンブラスト工法の機械設備が必要。
・ブラスト用足場、飛散防護設備が必要。
③ 技術提供可能地域
・制限なし。
④ 関係法令等
・労働安全衛生規則
使用する機械・工具
- キャリブレーション測定器
- コンプレッサー
- 発動発電機
- ブラストマシーン
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取材記事「循環式エコクリーンブラスト工法/循環式ショットピーニング工法」 |