海上浮体設備位置管理システム

2024/08/30 更新
  • 海上浮体設備位置管理システム概要
  • システムを運用した海底排砂管設置状況

NETIS登録番号:THK-160001-A(旧登録)

概要

排砂管や汚濁防止膜等の延長の長い海上設備の設置や移動作業において、対象設備を計画ラインに迅速に誘導する位置管理システムである。
排砂管を海底に沈設する場合の作業手順は次の通りである。
1)位置管理システム搭載のノートPCに排砂管沈設ラインの変化点座標を入力し、計画ラインを描く。
2)排砂管の変化点付近にGPS位置情報を発信するスマートフォンを設置する。スマートフォンは防水ケースに入れて浮力を有する密閉容器に収納する。密閉容器は磁石で排砂管に 固定された鋼製のカゴの中に入れる。
3)ノートPCを作業指揮船にセットする。
4)ノートPCと同じ画面を表示するタブレット端末を作業船全船に搭載する。
5)各作業船は作業前の排砂管の位置情報が正しくタブレット端末に表示されていることを確認する。
6)排砂管の引き出しを開始する。作業指揮者はPCを見て各作業船に指示を出す。
7)各作業船は、指示に従ってタブレット端末を見ながら排砂管を計画ラインまで押す。
8)作業指示者は、計画ラインに排砂管が移動したこと確認した後、移動完了を各作業船に通知する。
9)バルブ栓を開けて海水を入れて排砂管を沈設する。
10)スマーフォンの入っている密閉容器は、浮力により排砂管から離れて海面に浮上する。
11)浮上している密閉容器を回収する。

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新規性

・海上浮体設備設置の目印を竹竿の旗から位置管理システム運用PCに入力する計画座標点に替えた。
・海上位置情報の確認は旗入れによって行っていたが、GPS位置情報を発信するスマートフォンを浮体設備に取付けることに替えた。
・海上設備の作業途中の位置確認は、目印の旗との離隔距離を目視判断で行っていたが、PCの位置管理システム表示画面のGPS位置情報に替えた。
・旗入れ作業は陸上からの誘導測量で行っていたが、GPS位置情報を運用することで誘導測量が必要ではなくなった。
・全体作業進捗状況の各作業船への伝達は、指揮者からの無線や携帯電話等で行っていたが、位置管理システムを表示をするタブレット端末を各作業船に搭載した。

期待される効果

・旗は航行船舶により、位置がずれたり倒れたり、また潮流によって流されるリスクがあったが、これが解消された。また、旗入れを航路で行う場合は、航路の障害となったが、この障害を排除できる。
・旗入れ作業は、設備設置前日に行っていたが、スマートフォン取付け作業は簡易であり作業日当日で行える。事前測量日が解消され作業日が2日から1日に短縮された。
・スマートフォンのGPS位置情報を利用することで、作業中の海上浮体設備の位置情報をリアルタイムに把握することができ、作業の迅速性が向上した。また、霧等で目印の旗が目視できないときは作業を中止していたが、スマートフォンのGPS位置情報を使用することにより、この待機時間を解消できる。
・従前は旗入れ測量には誘導に2人、旗入れ作業船舶に3人要したが、新技術は指揮船舶1人と作業船1人の2人で済み、3人短縮される。
・タブレット端末の画面表示には、設備設置計画ラインと作業途中の現在位置とが各ポイントで数字と線形で表示されるので、リアルタイムで情報の共有化ができる。作業の手戻りや情報伝達の不備がなくなり、安全性が向上した。

適用条件

① 自然条件
・波高:1.0m以下
・風速:10m/s以下
② 現場条件
・GPSを使用できる海域
③ 技術提供可能地域
・GPSを使用できる日本国内海域
④関係法令等
・港湾法37-1項、同令13,14(港湾工事等許可申請書)
・港則法31-1項、37-3項 同則16(作業等許可申請書)

施工事例・施工実績

工事採用実績

1件
0件
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施工手順

会社情報

会社名
(株)アカサカテック
TEL
045-774-3570
企業情報
公式サイト

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