新規性
・郷土種子の利用(地域性)
チガヤマット張芝タイプに使用されるチガヤは種子から生産している。我々はそれらの種子を水系ごとに採取、管理しており、日本各地約20水系の種子を確保している。したがってそれぞれの地域に対応した製品を生産することも可能である。
・苗から育成生産する
種子を発芽させ、生育良好な苗に育成し、マットに植えつける。根茎がマットに伸長し絡まるまで数ヶ月間圃場にて養生した製品である。
・雑草侵入抑制
従来の芝堤防では外来植物や雑草の侵入により芝が衰退する例が見られたが、チガヤマット張芝タイプは速やかに群落を形成し、外来植物や高茎の雑草の侵入を抑制する。
・刈取管理の回数縮減と群落維持
従来工法の張芝は、年に数回刈取っても強外雑草に被圧されてしまうことがあるが、チガヤは刈取回数が年に1回程度で群落を維持する。また一度活着すれば張り替えが不要である。
期待される効果
・チガヤ群落の早期創出
マットの裏面には根と地下茎が縦横に発達しており、これらが損傷の無い状況で現場に設置されるため、設置後早い段階で、良好なチガヤ群落を形成することができる。
・法面浸食抑制
チガヤが速やかに活着し、植栽基盤であるヤシ繊維基盤とともに法面の浸食を抑制する。
・施工性の向上
張芝と同様の方法で施工することができるが、張芝よりも大型であるためマットを敷設する施工時間の短縮化を図ることができる。
・公共工事の品質の確保
種子吹付のように活着までの時間がかかったり生育にむらがないため、公共工事の品質を確保できる。
・在来種群落の維持
チガヤ群落を形成することで、他の雑草や外来植物種の侵入を抑制することが可能である。
・草刈作業の軽減
チガヤ群落が形成されると、セイタカアワダチソウ・ヒメムカシヨモギ・オオキンケイギクなどの高茎の外来植物の繁茂を抑制し、群落を低く保つので刈取植物量を軽減できる。
また張芝を維持するためには、年に2回から4回以上の刈り取りを行うが、チガヤは年1回の刈取管理程度で群落が持続できる。
適用条件
① 自然条件
・チガヤが分布している自然条件であれば問題ない。北海道から沖縄まで日本全土で生育可能である。
② 現場条件
・張芝工の条件に準じる。1:1.0より緩勾配で人力施工が可能な条件。
③ 技術提供可能地域
・全国で適用可能。チガヤマット張芝タイプは地域ごとの種子からの生産を基本としているため、種子の供給の有無や適応可能かなどの事前の調査・調整を要する。
④ 関係法令等
・河川管理施設等構造令
使用する機械・工具