新規性
・従来技術は、係留杭を高くすることによって、浮桟橋の係留杭からの逸失を防止していた。このため景観上はもちろん、高い係留杭の設置に高コストを要するなど、多くの課題を抱えていた。
・新技術は、浮桟橋内に自沈装置を取り付けることによって異常潮位時に浮桟橋を水底に自沈させ、施設の逸失を回避し二次災害を防止すると共に、災害後再浮上により施設の再利用を可能にする。また、本装置は、"てこ"の原理を応用したウエイト方式のバルブを使用しているため、作動の信頼性が高く、再利用も可能。また、バルブは水位低下と共に閉塞するため、浮桟橋内への注水は必要最小限度に抑えられ、復旧も短時間で行うことが可能になった。
期待される効果
・従来工法(係留杭式浮桟橋)に比べて、大幅にコスト削減が可能。
・係留杭を高くする必要がないため、景観上優れている。
・異常潮位時、浮桟橋が自沈するため、流木などの漂流物との衝突を避けることができる。
適用条件
① 自然条件
・風速30m/s、最大波高1.5m以下の水域であること(係留時)。
② 現場条件
・潜水士の作業が必要であるため、水深20m以浅の水域であること(復旧時)。
③ 技術提供可能地域
・特に制約なし。
④ 関係法令等
・港湾の施設の技術上の基準・同解説
・浮体式係船岸設計・施工マニュアル(案)
・土木工事安全施工技術指針