新規性
従来の養生は、覆工コンクリート型枠脱枠後から膜養生によりコンクリート表面が乾燥しないように養生を行っていたが、新技術はコンクリート打設時からセントルの表面温度のコントロールが始まり、脱枠後は加温・湿潤養生台車、保温・湿潤養生台車が引き続き養生を行い、コンクリート温度のコントロールと湿潤を保つ。
〔セントル表面温度コントロール〕
・従来のセントルは型枠表面の温度コントロールができず、周辺環境温度に左右され均一にはなっていなかった。本技術ではセントルの補鋼材の中を温風が通過することにより、型枠面全体を均一に加温することができる。セントルは保温塗装を塗布しておりコンクリートを保温する効果と環境温度変化によるコンクリートへの影響を小さくできる。
〔加温・湿潤、保温・湿潤養生台車〕
・加温湿潤養生台車(第二養生)はスポンジと発熱シート、湿潤養生マットの3層になっており、加温と湿潤を同時に施し、加温が不要な時期は保温・湿潤養生台車として使用し、水和反応が低下する打設後40時間程度まで水和反応を促し若材齢の適切な強度を確保する。
・保温湿潤養生台車(第三養生)はスポンジと湿潤養生マットの2層構造になっており、湿潤状態を保ちながら水和反応のピークからコンクリートは徐々に温度低下して坑内温度程度まで下がる。
〔温度データ集積装置〕
・温度データ集積装置によりコンクリート内部の温度を測定し、コンクリート打設から養生完了までのコンクリート内部温度と推定強度の記録を確認、保存が可能となった。
期待される効果
・温度応力によるひび割れの抑制と若材齢(脱枠時)の強度不足によるひび割れ防止が可能である。この技術により、従来技術のように長年の経験と目視に依存するのではなく、数値データで確認し施工を進めることで確実な施工と品質の向上が可能となる。これによりライフサイクルコストに大きな影響をもたらしていたコンクリートひび割れ発生防止に大きく寄与できる。
適用条件
① 自然条件
・特になし(坑内環境温度に影響されない)。
② 現場条件
・加温湿潤養生は発熱シートを加温するために電源が必要であるため200V-(75A~40A)程度の電源が必要。
・可燃性ガスが発生する可能性のあるトンネル現場には設置できない。
③ 技術提供可能地域
・全国 地域については制限なし。
④ 関係法令等
・特になし。
使用する機械・工具
- 温度データ集積装置
- 湿潤・加温養生台車
- 保温・湿潤養生台車
- セントル加温設備