新規性
・舗装工の施工を人による機械操作と人力検測から、高性能GPSまたは自動追尾トータルステーションによる機械の自動制御と出来形・品質のデータ管理に変えた。
期待される効果
・設計データを入力して施工から出来形・品質までデータ管理できるので、高効率ならびに高精度に施工管理を行うことが可能である。
・連続した高さデータを入力できるので、勾配変化部分など従来技術において丁張間隔の短い施工箇所でも、高精度な施工が可能である。
・路床、路盤、アスファルトコンクリート舗設作業は、従来オペレータによる機械操作と検測作業員の能力に委ねられていたが、自動制御のため、それらの能力に左右されることなく品質を確保することができる。
・コントロールボックスは、高性能GPSシステム、トータルステーションシステムともに供用が可能で、路床、路盤から表層まで自動制御による施工と、出来形・品質のデータ管理が可能であり、施工管理を効率よく行うことができる。
・丁張材が不要なので、建設廃材の軽減が期待できる。また、時間当たりの施工量も増大することから、建設機械から排出されるCO2の発生も軽減できる。
・高性能GPSシステムとトータルステーションシステムには、それぞれ長所、短所があるが、それらを施工条件に合わせて使い分けることにより、自動制御による道路舗装の施工が可能になった点。たとえば高性能GPSは、GPSを利用するため上空障害のあるところでは使用できないが、トータルステーションシステムではトンネル内でも使用可能である。
適用条件
① 自然条件
・高性能GPSシステム、トータルステーションシステムともに、降雨降雪時、ならびに霧発生時等、機器の故障が懸念される条件では使用不可能である。
② 現場条件
・高性能GPSシステムにおけるゾーンレーザ発光機と、建設機械に搭載した受光センサーの有効使用距離は、半径150m以内とし、建設機械からゾーンレーザ発光機が見通せること。
・高性能GPSシステムについては、トンネル内、森林の中など上空障害のある場所では使用できない。
・トータルステーションシステムにおける受光機を搭載した建設機械と、トータルステーションの使用距離は、半径150m以内とし、常に双方は見通せなければならず、トータルステーションと受光機は1対1で制御する。
したがって、複数の機械制御を要する場合は高性能GPSシステム、上空障害のある場合はトータルステーションシステムと使い分けが必要である。
③ 技術提供可能地域
・制限なし。
④ 関係法令等
・道路構造令(日本道路協会 H16.2)
使用する機械・工具
- 高性能GPSシステム
- トータルステーションシステム