スリット応力解放法 

2022/12/19 更新
  • 全視野ひずみ計測装置
  • 装置の概要説明

NETIS登録番号:CG-160009-A(旧登録)

概要

PC構造物の現有応力を測定する技術

新規性

スリット応力解放法は、PC 構造物にスリットを切削し、応力解放した際のひずみを光学的全視野ひずみ計測装置により測定し、現有応力を算出するという類例のない世界初の技術である。
従来方法は、ひずみゲージによって1ゲージ1点のデータしか取得できないが、本技術は、スキャン範囲(約210mm×210mm)において、スリットを中心として60通の各対称点間距離について、またスリット長手方向に98箇所の対称点間距離変化率(見掛けのひずみ)を求めている。言わば、ひずみゲージにすれば5880枚のゲージを210×210mmの範囲内に貼って計測するような方法である。
当該工法は、現場での計測機器設置からデータ計測作業、及び得られた計測結果から解析による現有応力算定までの一連の工程を含めたものとなっている。
従って、
・光学的全視野ひずみ計測装置による解放ひずみの高精度測定。
・PC構造物の解放ひずみ測定のための合理的な切削方法の適用。
・2点間距離変化率という解放ひずみの新しい評価法。
・現有応力を推定するためのFEMモデルを用いた解析手法。
これらのアイデアの組み合わせにより、従来法と比較して特に測定精度や作業性において優れた方法となっている。

期待される効果

従来工法に比較して以下の様に高精度の解析が可能となり、復元設計の品質向上に繋がるものと期待される。
・従来工法は1点のひずみ測定であったが、当該技術の光学的全視野ひずみ計測装置は、撮影した範囲内ならば任意の位置・方向のひずみ(全視野ひずみ)を画像解析により高精度な現有応力の評価が可能である。
・計測装置の撮影範囲は210mm×210mmで、ラインセンサの解像度は1200dpi(dpi=dot per inch)であり、分解能力は約0.021mmの測定面全域の解放ひずみを高精度に測定が可能となった。

適用条件

① 自然条件
・機器は防滴仕様となっていないため、降雨下での作業はできない。
② 現場条件
・光学的全視野ひずみ計測装置の幅が260mm、長さ380mmあり、それ以下の狭隘部には装置が設置できず本方法が適用できない。
・測定対象面に密着して画像を撮影する機構のため、曲率半径3m以下の曲面では画像中のピントが合わない部分ができ適用できない。
・ラインセンサの特性上、光源が計測対象面と近接しているため、計測対象面が濡れていると画像がハレーションを起こし、精度の良い計測ができない。
・ひび割れが多数存在する箇所を計測する場合は、既に内在応力が解放された状態となっており、精度の良い計測ができない可能性があるため、計測場所の変更が望ましい。
③ 技術提供可能地域
・制限なし。
④ 関係法令等
・特になし。

使用する機械・工具

  • RCレーダー
  • スリット用機材

施工事例・施工実績

施工手順

会社情報

会社名
(株)K&Tこんさるたんと
TEL
04-7141-0115

このカテゴリーでよく見られている工法