新規性
計画護岸の上部や背面に道路や家屋などの制約があり、掘削が困難な場合の護岸新設や護岸改修工事では、従来は仮設土留めを行い、構造物掘削を行った後に大型ブロック積み擁壁等が施工されていた。新技術では、表面工に高強度のプレキャストコンクリートパネル、補強材には高品質の水中不分離グラウトやガラス繊維強化プラスチックを使用し、安全な逆巻き施工によって、従来の仮設土留めと構造物掘削を行わずに護岸新設や護岸改修ができる。
期待される効果
・工事に伴う影響範囲が最小限で済み、計画護岸背面の道路や家屋などへの環境影響を最小限にできる。
・河川に面した道路の谷側拡幅工事や路肩決壊などの災害復旧工事では、道路交通規制が最小限で施工できる。
・逆巻き施工を標準とするため、施工中の土砂崩壊の危険が無く、安全性が高い。
・仮設工を最小減でき、工期短縮や環境負荷の低減が可能である。
・表面工のパネルはプレキャスト製品のため品質に優れ、工期短縮・省力化ができ、表面のデザイン(擬石模様)は景観に配慮している。
適用条件
① 自然条件
施工中に施工箇所前面に水位が無いこと。
② 現場条件
削孔機用足場として、土足場もしくは仮設足場が必要(W=4m以上)。
③ 技術提供可能地域
技術提供地域については制限なし。
④ 関係法令等
河川構造令、道路土工-切土工・斜面安定工指針。