新規性
推進・シールド併用タイプは、推進限界もしくは急曲線手前の任意地点まで「推進工法」により掘進し、以後は「シールド工法」に切替可能である。「推進工法」から「シールド工法」への切替えは、立坑不要である。推進機後方のESS特殊先頭管を分岐点として、スピーディーに「シールド工法」への切替えができるシンプル構造を採用している。
推進区間で使用する推進管は、一般的に使用されている推進管であれば全て使用可能である。
シールド区間で使用するセグメントは、ESS工法独自のセグメントである。セグメントは、RCセグメント・合成セグメント・スチールセグメント・内水圧対向型セグメント・可とうセグメント等の種類がある。
期待される効果
推進工法とシールド工法の両方の利点と欠点を補い合うことで、全区間を推進工法で施工することが困難な場合に、推進工法からシールド工法に切替える方式である。
推進・シールド併用タイプ(特殊推進工法)の特長
① 仕上り内径 1,000㎜から、1スパン1,000m以上、超急曲線R=10mが可能である。
② 推進工法からシールド工法への切替えが容易である。
③ 土質条件に応じて、標準タイプと破砕タイプの選択が可能である。
④ 掘進機内からビット交換および障害物の撤去が可能である。
⑤ 推進力低減システムを併用することで、長距離推進(500m以上)が可能である。
⑥ シールド区間において、二次覆工を省略することで、大幅な工期短縮が可能である。
⑦ 全区間シールド工法に比べて、経済性に優れている。
⑧ シールド工法に切替えることで、安全性が向上する。
適用条件
近年の課題とされている道路交通条件、既設地下構造物、周囲の生活環境への配慮といった、さまざまな諸条件に対応可能な工法の開発に取り組んだ。そこで、推進工法とシールド工法の個別の技術に着眼し、2者を融合させることによるメリットを勘案して、経済性・確実性および優れた品質を提供できる究極の工法として、社会のニーズを追及し、開発に成功した。
施工用途
① 長距離施工
② 急曲線施工
③ 軌条横断
④ 河川横断
⑤ 低土被り
⑥ 近接施工
⑦ その他特殊条件
当工法の優位性
① 泥濃式の採用により、土質の適用範囲が広い
② 排泥は真空吸引
③ 発進立坑・到達立坑が小さい
④ 発進基地が小さい
⑤ 推進工法区間が長い場合、工期短縮・コスト縮減が可能である