新規性
従来の植生基材吹付工は切土法面等の緑化工事で多く採用されているが、山腹崩壊跡地のような法面垂直高80m以上の現場では、長距離圧送に伴う吹付圧力の減衰により、生育基盤が十分に圧密されず、生育基盤を造成することが困難なことから、法面上に仮設プラントヤードや索道などの大がかりな仮設を設置して施工をするか、植生ネット工などの人力施工による非効率的な植生工が施工されてきた。
ハイグリーンショット工法は、従来の吹付機械とは異なる専用の吹付システムによって、市場単価の適用範囲外となる法面垂直高80mを超える長距離高揚程の現場においても、耐侵食性に優れた生育基盤を吹付けて緑化することを可能とした。
期待される効果
1.大がかりな仮設が不要
法面垂直高80m以上の長距離高揚程の施工が可能なため、法面上に作業プラントヤードや資機材運搬用の索道などの大がかりな仮設が不要で、仮設にかかるコスト削減、工期短縮、および施工の省力化が図れる。
2.植物の生育性に優れた生育基盤を造成
高品質の有機質系生育基盤材「オルガソイル」と、無機質系侵食防止材「レミコントロール」の組み合わせにより、耐侵食性と植物生育性に優れた生育基盤を造成できる。
3.さまざまな緑化工法に応用可能
弊社が保有する、在来種播種工「斜面樹林化工法」、非面的吹付緑化工「エコストライプ工法」、強酸性土壌対策工「アルプラス工法」等の各種緑化工法に応用できる。
4.さまざまな緑化目標に対応可能
弊社独自の種子貯蔵出荷施設「RSセンター」を活用して、国内産在来種子(木本類・草本類)による緑化や、現地採取種子を使用する地域性種苗利用工にも対応できる。
適用条件
① 自然条件
・雨天時の吹付作業は不可
② 現場条件および適用範囲
・法面垂直高80m以上に対応可
・法面垂直高が高くなるほど施工性が低下するため、各現場の法面垂直高に応じてレベル区分(レベルⅠ~Ⅴ、垂直高20m毎)を行い、80mまでの標準歩掛に各レベルの高揚程補正率を乗じて補正する積算方法を採用
・施工プラントには、40L袋の生育基盤材を使用するAタイプと、フレキシブルコンテナバック入りの生育基盤材を使用するBタイプがあり、現場条件に応じて選定
③ 技術提供可能地域
・技術提供地域については制限なし
④ 関係法令等
・特になし