新規性
現場発生木材の利用方法として、発生木材を破砕チップ化後に堆肥化する方法が多く行われているが、堆肥ヤードが確保できない場合には場外に搬出して堆肥化する必要があるとともに、堆肥化する期間が必要になる。
デールチップ工法は伐採木、根株を機械で破砕してチップ化したものを堆肥化することなく生チップのままで植生基盤材の主材料としてのり面へ吹き付ける緑化工法であり、現場発生木材を場外へ搬出することなく、現場内でリサイクル活用する技術である。
生チップ材は連結性と保水性・保肥性が低いという欠点があったが、生分解性短繊維材やバーク堆肥等を配合した有機質系基盤補助材(デールファイバー)を添加することにより、これらの欠点を解消した。
期待される効果
1.伐採木、間伐材、根株、剪定枝などの木質廃材をチップ化して資源循環
2.竹材の利用も可能
3.生チップをそのまま生育基盤材として使用できるので堆肥化が不要
4.現場発生する木質廃材や竹材のリサイクルによりコストを低減
5.基盤補助材デールファイバーの配合で生育基盤の連結性と保水力・保肥力を向上
6.発生材の運搬・処分やチップ材の堆肥化を不要としたことで、通常の植生基材吹付工と比較してCO2排出量を約35%削減できる低炭素型工法
適用条件
① 自然条件および現場条件
・日平均気温が10~25℃
・破砕作業のためのプラントヤードとチップを仮置きしておくストックヤードとを合わせた作業ヤード(10m×30m=300m2)が必要
② 適用可能な範囲
・勾配が1:0.5よりも緩やかなのり面
・直高80m以下ののり面
・特に効果の高い適応範囲:道路開設などのように伐採木・根株・枝葉・竹等が発生する現場
・適応できない範囲:伐採木等の発生がない現場、もしくは生チップの供給が難しい現場
③ 技術提供可能地域
・技術提供地域については制限なし
④ 関係法令等
・特になし