新規性
・コンクリート基礎からアンカー基礎に変更した。
・支柱根元をピン結合にし、頭部から山側へロープを設けた吊構造とした。
・地山の起伏による隙間や落石の衝突による柵下部からのこぼれ出し対応として、補助金網を標準化した。
・実物大の重錘衝突実験を行い、捕捉機能を確認した。
期待される効果
・落石発生源に近い斜面中腹で施工が可能となったため、落石エネルギーが小規模なうちに捕捉できる。
・斜面直角設置が可能となったため、従来技術より柵高を抑えかつ設置延長を短縮できる。そのため、既設柵で柵高不足が発生した場合でも、斜面上に設置することで柵高不足を補うことができる。
・アンカー基礎にしたことで、地山掘削が不要となり建設発生土を抑えることができる。
・支柱間隔を3m~6mまで対応できることで、斜面に合わせた経済的な設置ができる。
・実物大の重錘衝突実験により、落石を受けた後の変形が小さいため(実験結果では最大変形量1.0m以内)、こぼれ出し及び周辺の樹木への影響を抑えることができる。
適用条件
① 自然条件
・積雪地区では、雪荷重を計算し耐雪型仕様を検討する。気温の低い寒冷地での岩部用アンカー定着材は寒冷地対策(樹脂系、耐寒性セメント系)を検討する。
・海岸地帯等で常時海水飛沫を受ける場合、変性飽和ポリエステル樹脂塗装処理を推奨する。
・火山性ガス、酸・アルカリ性土壌地区の場合、変性飽和ポリエステル樹脂塗装処理を推奨する。
② 現場条件
・原則作業足場は不要である(地形条件により2m程度の作業足場を設ける)。
・地山の地質に応じたアンカー選定が必要である。
・現地の凹凸に合わせた支柱間隔の選定が必要である。
・資材置き場、荷揚げ方法の検討が必要である。状況により1車線程度の交通規制が必要である。
③ 技術提供可能地域
・制限なし。
④ 関係法令等
・特になし。
使用する機械・工具