新規性
1.柔構造の落石防護柵
従来は、落石の規模に対してより剛性の高いもので受け止める考え方が一般的であったが、リングネット工法は柵構成部材の強度と変形特性を利用し、これを効果的に組合わせて柔軟な構造とすることで、落石の運動エネルギーを吸収しながら止めるものである。
2.対応できる落石規模の範囲が広い
従来は、落石の規模に対して対応できる工法が限られていたが、リングネット工法は100kJから、3,000kJまで対応できる。
3.現場条件に合わせやすい構造
設置場所の地形や自然環境に応じて柵設置位置を決められ、より効果的に落石捕捉性能を発揮することができる。
4.落石を捕捉した後でも機能の低下が少ない
落石捕捉後も一定の柵高さが維持される構造である。落石の運動エネルギーは部材の一部に集中することなく、ネットやワイヤロープに分散され局部的に損傷を受けて機能は低下しない。
期待される効果
1.どのような落石の規模に対しても、施工費の縮減が図れる。
2.対策できる場所の制約が、極めて小さい。
3.早急の対策が可能である。
4.信頼性が向上する。
5.自然環境への影響や景観性を重視した対策が期待できる。
6.工種が少ないため、工期を大幅に短縮できる。
7.落石洞門工(ロックシェッド)の適用が検討される範囲では、費用対効果が高くなる。
8.落石の発生源対策ができない場合は、対応できる落石運動エネルギーが大きいので、待ち受け型防護柵としては効果的である。
9.自然環境への影響や景観性を重視した防災対策には効果的である。
適用条件
1.落石運動エネルギーが3,000kJまでの範囲。
2.対象となる落石の想定跳躍量が、柵高さを越えない範囲。
3.山側および側部の控えアンカーの設置場所が確保できる範囲。