道路橋梁の老朽化とメンテナンス |
高度経済成長期に集中的に建設・整備された道路橋梁は確実な老朽化が進んでいる。今後、建設50年を経過する施設は更に割合が高くなり、点検・調査・補修の適切なサイクルが求められる。国土交通省は長寿命化修繕計画に基づく道路メンテナンス事業への計画的支援を実施しており、構造物の劣化状況、損傷状況を把握しながら適切な維持保全を推進している。本特集では首都高の災害への取り組みや道路維持補修に欠かせないメーカー製品を紹介する。
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2023.05.31
【参考書籍】橋梁補修の解説と実際
橋梁の施工・補修は特に技術力が必要であり、施工法、フローによる施工手順、施工写真・図等を豊富に収録した書籍として理解・学習をサポート。
アルプロンHM
高強度・高弾性係数を特徴とするコンクリート構造物の断面修復用(左官工法用)のエポキシ樹脂モルタル材料である。エポキシ樹脂と特殊骨材がセットになっており、施工が容易。コンクリートへの付着強度が、断面修復材としての基準値1.5N/㎟(構造物施工管理要領(東・中・西日本高速道路株式会社))を大きく上回る2.8N/㎟あり、コンクリートへの優れた接着性が認められるため、プレキャスト部材等の充填接着剤にも活用できる。
循環式ショットピーニング工法
ブラストによる腐食予防とショットピーニングによる疲労対策を同時に行うハイブリッドな予防保全工法。
STマイクロパイル⼯法タイプⅠ
橋梁等の桁下空間の制約や近接構造物の影響を受けることなく、⾼張⼒鋼管を⽤いた機械式ねじ継⼿の⼩⼝径杭(径φ165.2/216.3/267.4)を打設することにより、構造物の⽀持⼒対策・既設構造物基礎の補強、斜⾯の安定対策・地すべり抑⽌対策などを効率的に⾏う技術である。 同工法はセメントグラウト材を加圧注⼊し、節突起を設け付着性能を向上させた⾼張⼒鋼管と合成させる⼩⼝径場所打ち杭で、空頭制限のある狭隘な場所等の厳しい現場条件でも効率の良い施⼯が可能である。
FCB工法
気泡混合軽量土(エアモルタル・エアミルク)を用いた軽量盛土工法で、通常の土では施工が困難な場所における盛土が可能な気泡混合軽量盛土工法。軽量性、流動性、自立性などのエアモルタル・エアミルクの特長を活かし、軟弱地盤上の荷重軽減、橋台背面の土圧軽減、狭小地や山岳部での道路拡幅、トンネル坑口人口地山等、道路建設工事全般で幅広く活躍している。
画像撮影システムを用いた橋梁点検画像の取得技術
この技術は、UAV に取り付けたカメラで対象物を撮影し、その撮影データを「コンクリートのひびわれ画像解析プログラムt.WAVE」(大成建設㈱ 開発)で解析する橋梁点検技術である。
可とう性踏掛版(背面処理工)
構造物と土工部の境界に鋼製六角パネルとアスファルト混合物の複合体で可撓性の踏掛版を構築する工法。埋め戻し材に圧密沈下等の変状が生じた場合、追従して変形し、ひび割れ及び段差を抑制。
橋梁の土工化工法
近年実績が増えている工法。橋脚や橋桁を残したまま、気泡混合軽量土(エアモルタル・エアミルク)で橋梁下部の空間を充填して土工化することにより、橋梁としての定期点検・補修コストを低減でき、長寿命化に加えその後のランニングコスト削減という効果も得られる。また、作業は橋梁下部空間のみで行うため型枠パネル組立のために外足場は必要なく、道路を完全通行止めにすることなく供用しながら施工できる。
クイックシール
軽くバーナーで温めて接着させるだけの簡単作業で施工できる万能瀝青シール。プライマーがなくてもしっかり付着し、粘着防止剤を散布することで、即座の道路開放ができる。万能瀝青テープのため、クラック補修、コールドジョイント止水材、成形目地材として使える。
クイックパッチ
液と粉末を20秒混ぜて敷き均すだけの常温アスファルト補修材。アスファルト舗装、またはコンクリートにおける段差修正を目的としたアクリル樹脂系モルタル。アクリル樹脂と特殊粉末を配合したことにより、クラックが生じにくくなっている。
工事用敷き板「Wボード」
木質繊維とプラスチックの複合材料(ウッドプラスチック)を用いた敷き板である。軽量で柔軟性があるため、設置の手間が軽減され地面に馴染みやすい。W ボードは、敷鉄板より軽量で運搬・施工が簡単なため、多くの採用実績をもつ技術である。また、プラスチック製敷板よりもさらに安価で環境負荷も少ない。
高分子系浸透性防水材 アイゾールEX
被覆・撥水・表面改質によるコンクリート表面保護工法。
シールファルト
アスファルト補修のひび割れを専用器具を使わず補修できる、アスファルト舗装ひび割れ補修材。アスファルト舗装のひび割れに使用できる補修材でクラック幅15mm程度まで可能。
循環式ハイブリッドブラストシステム
橋梁補修補強工等において、鋼構造物の素地調整(1種ケレン)やコンクリート劣化部のチッピングを行う循環式機能付ブラスト工法。
スーパーOKコン
ブリーディングによるコーン外周からの漏水やセパレーターの腐食を抑制するための埋込式コーン。 本体の素材は炭素繊維を配合したコンポジットマテリアルを採用しているため、製品は軽量で扱いやすい。本体部分に設けられた止水リブによる止水効果と、接続ナットに施されたエポキシ樹脂塗装によって防錆効果を得ることができる。また、エラストマー製の埋め込みプラグによるワンタッチ仕上げにより、仕上げ作業は簡素化される。
全磁束法によるケーブル非破壊検査
全磁束法はケーブル内に流れる磁束の量がケーブルの断面積に比例する原理を利用した検査法である。ケーブルを磁化することでケーブル内に磁束が流れ、その磁束を計測しケーブルの断面積へと換算する。 ソレノイド式全磁束法は磁化方式に電流磁気を用いる。電流をあげ、磁化力を強めることで、磁束密度を飽和漸近領域まで到達させる。健全部、健全部以外の断面積(飽漸近領域の磁束)を比較することで、断面の変化、欠陥(主に腐食)状況を定量的に評価する方法である。 永久磁石式全磁束法は磁化方式に永久磁石を用いて、ケーブル長手方向に移動しながら欠陥を定性的に検知し評価をする方法である。また磁束密度を検知することでケーブル断面内での位置関係を把握する。
斜角門形カルバート
わが国では、道路と道路や道路と水路がクロスする場合、その交差角が直角以外の、いわゆる斜角となる場合がほとんどである。独自の斜角製品製造技術(特許申請中)の確立により、カルバート工法の中でも経済的に優位な工法となった。 私どもは、国土の地形・環境に融和する「斜角技術」にさらなる研鑚を積み、皆様の要望に応じていく。
長期耐候性 錆転換防食塗装システム「DeCK」
鋼構造物の塗替え塗装に関する技術。専用のエポキシ樹脂プライマーにより、発錆リスクである赤錆を黒錆へ転換し防食することができる。さらに、超厚膜形ふっ素樹脂塗料を塗り重ねることで長期対候性も期待できるため、約50年のライフサイクルコスト縮減が可能である。